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高校・国語:漢詩の原点「桃夭」を読む

2014年03月18日更新

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はじめに

中国最古の詩集「詩経」。そこには素朴な民衆の喜怒哀楽が歌われています。中でも有名な「桃夭(とうよう)」をここでは学びましょう。

白文

桃夭

桃之夭夭
灼灼其華
之子于帰
宜其室家

桃之夭夭
有蕡其実
之子于帰
宜其家室

桃之夭夭
其葉蓁蓁
之子于帰
宜其家人

書き下し文

桃夭

桃の夭夭(えうえう)たる
灼灼(しやくしやく)たり其(そ)の華
之(こ)の子 于(ここ)に帰(とつ)ぐ
其(そ)の室家(しつか)に宜(よろ)しからん

桃の夭夭たる
有蕡(いうふん)たり其の実
之の子 于に帰ぐ
其の家室に宜しからん

桃の夭夭たる
其の葉蓁蓁(しんしん)たり
之の子 于に帰ぐ
其の家人に宜しからん

注意が必要な用語

  • 夭夭:若々しい様子
  • 灼灼:燃えるような様子
  • 之子:花嫁のこと
  • 帰:「嫁」と同じ意味
  • 室家:嫁ぎ先
  • 有蕡:はちきれそうな様子
  • 家室:「室家」と同じ。押韻のため文字を逆にしています
  • 蓁蓁:ふさふさと茂っている様子

解釈

桃の若木

桃の木は若々しくて
燃えるようだよ、その花は
そんな娘は嫁入りするよ
嫁ぎ先にぴったりさ

桃の木は若々しくて
ふっくらしてるよ、その実は
そんな娘は嫁入りするよ
嫁ぎ先にぴったりさ

桃の木は若々しくて
ふさふさしてるよ、その葉は
そんな娘は嫁入りするよ
こちらの家族にぴったりさ

民謡の歌詞として訳しましたので、厳密なものではないことをお断りしておきます。

鑑賞

嫁いでいく娘を祝福する民謡です。結婚式の場で節をつけて歌われたと思われます。

桃の若木は花嫁の象徴です。さらに花嫁を「花」「実」「葉」と次々にたとえていくことで、みずみずしい花嫁がやがて子を産み、婚家を栄えさせる明るい未来をも暗示しています。

詩は繰り返しが多く、特に技巧をこらしたものではありませんが、当時の民衆の喜びを率直に表しています。

詩の形式

四言(しごん)古詩といいます。一句四文字の古体詩です。四言は「詩経」の中心となる形式です。

漢詩は形式によって古体詩と近体詩の二つに分けられます。

近体詩とは、唐代に成立した漢詩で、絶句や律詩もこれに属します。句数・押韻の場所・対句の必要性など厳格な規則をもちます。中学で学んだ漢詩はほとんど近体詩でしょう。
古体詩は周代から存在している漢詩で、近体詩に比べると、その形式ははるかに自由です。

押韻

偶数句末で押韻されています。「花(ka)」と「家(ka)」、「実(jitsu)」と「室(shitsu)」、「蓁(shin)」と「人(jin)」。

古体詩の形式は自由と述べましたが、押韻は存在しています。ただし、厳密に決まった押韻の場所があるわけではありません。

「詩経」について

「詩経」は中国最古の詩集。周代の紀元前11世紀頃から紀元前6世紀頃まで黄河流域で歌われた作品約300編を収録。

民謡や宮廷音楽の歌詞などが中心です。儒教の教典「五経」の一つとして重視されてきました。

おわりに

中学では唐の詩を中心に学んできたことと思いますが、漢詩は世界にも類を見ないほどの歴史と質量を誇ります。「桃夭」をきっかけにその宝の山に分け入ってはいかがでしょうか。

(photo by 足成)

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本記事は、2014年03月18日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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