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[無縁社会]の意味と使い方

2010年11月12日作成

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「無縁社会」という言葉が、「2010年新語・流行語」に選出されました。そこで、今回は「無縁社会」の基本的な意味と使い方をご紹介したいと思います。

「無縁社会」の意味

まずは基礎知識です。一般的な意味と、その問題点、原因を、かいつまんで説明します。

一般的な意味

「無縁社会」=単身世代が増えて人と人との関係が希薄になっていくこと

2010年1月以降、NHKが『報道プロジェクト・あすの日本』の一環として、『NHKスペシャル』などで「無縁社会」の実態に迫る企画を放送し、その内容が特にネットユーザーを中心に大きな話題となりました。

主な問題点

「無縁社会」の問題点として言及されるのは自殺と孤独死です。

日本は先進国のなかで自殺率がワースト2位の自殺大国になってしまっています。また、年間3万人以上の人が孤独死しており、その中では身元不明のまま火葬され「無縁墓地」に送られることもあります。

主な原因

主な原因として、ここでは二つを提示します。

その1:生涯雇用制度の崩壊

伝統的な日本の雇用形態は生涯雇用制と呼ばれる制度でした。この制度は、一度雇用した労働者を定年まで雇用する考えです。

生涯雇用制度のメリットは一度雇用した労働者に長期的な技術訓練を施すことで、コンスタントに高い技術を持つ労働者を維持できることにありました。

しかしながら、近年のIT技術をはじめとする技術革新によって、従来のように長期勤続の熟練工が不必要になってきました。同時にバブル後の経済停滞や少子化から、この制度の維持は困難になります。

こうしたプロセスを経て、現在では生涯雇用制度は崩壊したと言われています。生涯雇用制度が崩壊したということは、労働者が常に解雇等の雇用調整の危機にあることを意味し、雇用に対する不安を助長させます。

この不安が、結婚や出産に対する意識の低下を招き、単身者の増加の一因となっているのです。

その2:地域コミュニティの解体

しかし単身者の増加だけが無縁社会の本質なのではありません。

むしろ問題点は、自殺してしまうほどに弱っているのに誰にも相談できないということ、また孤独死をしていることに誰も気付けないという、人間関係のあり方にあります。
  
こうした風潮は、地域コミュニティの解体によって他者の自明性や必要性を実感できなくなったために生み出されたと言えるでしょう。

移動や交通や通信の手段が限られていた昔は、人間関係は自分が生まれ育った地域に限定され、空間的に自分の近くにいる人とだけ人間関係を結ぶことができました。

こうした濃い人間関係の中では、相談相手に事欠くことはありませんし、自分を支えてくれる他者のコミュニティの存在ははっきりと実感されていました。

しかし、高度経済成長期以降の郊外化と、近年のIT技術の発展で、人間関係は自分が生まれ育った地域に限定されることはなくなります。

この場所が駄目だったら、他の場所、この人が駄目だったら、他の人というように、人間関係はより流動的になっていきます。

こうした中では合理的なメリットだけが人間関係を結んでしまうため、「この人でなければいけない!」という強固な絆を見失いやすくさせてしまうのです。

そのため、自分の深刻な悩みを話すことができなくなり、自殺や孤独死が増加してしまう土壌が出来上がってしまったのです。

使い方の例

「無縁社会は、自殺や孤独死の土壌を作っている」

「若者のケータイメールへの依存は、無縁社会の裏返しだ。」

おわりに

「無縁社会」は2010年になって初めて世の中に登場した現象ではありません。日本の経済停滞が進み、地域コミュニティが解体していくことによって、長い時間をかけて進行してきた現象なのです。

また「無縁社会」問題は、その原因を辿っていくならば他の様々な社会問題に結びついていくでしょう。

援助交際、リストカット、引きこもり、ネット自殺等も、「無縁社会」の延長線上に位置する問題であると言えるのではないでしょうか。

私達は人間関係という視点から改めて社会を見つめなおさなければならない時にいるのかも知れません。

本記事は、2010年11月12日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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