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信用取引の基礎知識と売買方法

2016年05月11日更新

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はじめに

「『空売り』というけれど、持っていない株を売るってどういうこと?」「信用取引って?」「資金を借りて株を買うなんて…」そんなふうに思っている方はいませんか?本記事では、株式投資の中でも「信用取引」について、基本的な知識を紹介します。

信用取引とは

「信用取引」とは、「担保(最低30万円以上)を証券会社に差し入れた上で、証券会社から資金を借りて株を買う、または、株を借りて株を売る取引」のことを言います。

つまり、お金を借りて株を買うこともできますし、自分が持っていない株でも売ることができます。

「自分の保有している資金で株を買う、または、自分の保有している株を売る取引」を「現物取引」といいます。

なぜ信用取引があるのか

そもそも信用取引はどんな背景から生まれたのでしょうか。一般的な商品の価格決定について考えると理解しやすいので、例をあげてみます。

例えば、パソコンなどの一般的な消費財の値段は需給のバランスによって決まります。多数の需要者と供給者が市場に存在しているので、パソコンが欲しい人が多ければ値段が上がり、在庫が増えてパソコンを売りたい家電メーカーが多くなれば値段が下がることにより、適正な価格で取引が成立します。

株式市場においても同様に、投資家が信用取引の制度を利用することにより、多くの株の売買、つまり需給が生まれることで、市場における公正な株価形成が促進されると考えられているのです。もし、現物取引だけで株式市場の取引が行われた場合、手持ちの資金・保有株の範囲でしか取引できず、少人数の考えで株価が形成されるという恐れがあります。

したがって、信用取引は、「多くの投資家の価値観が反映される市場にするために生まれた制度」といえます。

信用取引の具体的な利用方法

信用買いのことを「新規買」「カラ買い」「買建(かいだて)する」といいます。信用売りは「新規売」「カラ売り」「売建(うりだて)する」といいます。

また、信用取引で買った株の値段、もしくは売った株の値段を「建値(たてね)」といい、決済を行っていないポジションを「建玉(たてぎょく)」「玉(ぎょく)」などといいます。「建玉」には「買建玉(かいたてぎょく)」と「売建玉(うりたてぎょく)」があります。

それでは具体的に、信用取引の買い・売りについてみていきましょう。

信用取引の買い(新規買)

まずは、信用取引で「買い」をする場合の「必要な保証金」と「注文後のお金と株式の流れ」について、具体例をあげて説明します。

投資家が証券会社に委託保証金62万円(内訳:現金42万円と時価25万円の株式)を差入れていると仮定します。保証金を最大限に生かして200万円の信用買いを行った例で、お金と株式の流れを見ていきましょう。

手数料、諸経費は考慮していません。
委託保証金
信用取引をする際に、約定代金総額のうち一定の比率以上を担保として証券会社に差し入れる必要があり、これを委託保証金といいます。比率だけでなく金額でも基準があり、最低30万円が必要です。約定代金総額に対して必要な委託保証金の比率は「委託保証金率」と呼ばれ、法令によって30%以上と定められており、松井証券の委託保証金率は31%です。
現金の他に、通常、株式などの有価証券も保証金として認められます。保証金として差入れられている株式等は代用有価証券といいます。代用有価証券は、上場株式の場合、原則として前営業日終値の80%の価格で評価します。この換算率を「掛目」といいます。

現金は保証金として100%の価値で評価されます。一方、代用有価証券は「掛目」によって保証金としての価値が決まります。

下図で、保証金62万円となる理由は、上場株式の掛目を80%とすると、次の通り計算されるからです。

現金42万円×100%+代用有価証券25万円×80%=62万円

委託保証金率を31%とすると、下図の投資家は保証金の約3.2倍の200万円まで信用取引が可能になります。

STEP1:信用買いの注文を出す

まず、この投資家から(1)のように、時価200万円の株を1株買うという信用買いの注文が出たとしましょう。証券会社は株式市場にこの注文を取り次ぎます。

STEP2:金銭の貸付

投資家から買い注文を受けて約定した場合、証券会社は

  • 証券金融会社から資金を借り、その資金を投資家に又貸しする
  • 証券会社が直接、資金を投資家に貸出す「自己融資」をする

のどちらかを行います。上図(2)は又貸しのパターンです。

証券金融会社とは、証券会社が投資家から信用取引の注文を受け、約定した際に、資金や株式がない場合、それを証券会社に貸出すことを専業としている会社です。

STEP3:注文の成立

さて、投資家から信用買いの注文を受け、約定すると、証券会社は(3)のように現金200万円を渡し、同時に、(4)のように、株式1株を受取ります。

この株式は、証券会社が「自己融資」している時には証券会社に担保として預けられ、証券会社が証券金融会社から資金を借りて「又貸し」している時には(5)のように証券金融会社に決済されるまで担保として預けられます。

信用買いで証券会社が受け取った株式は、現物取引と違って投資家は受取りません。
一般信用取引の場合は、(2)(5)の部分も証券金融会社ではなく証券会社が行います。
決済とは、反対売買などで取引を終わらせることです。

信用取引の売り(新規売)

次に、信用売りの場合の株式とお金の流れを見てみましょう。買いの場合と同じく、保証金62万円が差入れられている前提でご説明します。

手数料、諸経費は考慮していません。

STEP1:信用売りの注文を出す

まず、この投資家から(1)のように、200万円の株を1株売るという信用売りの注文が出たとしましょう。証券会社は信用買いと同様に株式市場にこの注文を取り次ぎます。

STEP2:株式の貸付

投資家から売り注文を受け、約定した場合、証券会社は

  • 証券金融会社から株式を借り、その株式を投資家に又貸しする
  • 証券会社が直接、株式を投資家に貸出す

のどちらかを行います。上図(2)は又貸しのパターンです。信用売りの場合は、投資家に「何々という銘柄を売りたい」といわれても、証券会社が株式を予め用意しておくというのは困難です。ほとんどのケースで証券会社は証券金融会社を使って、投資家に株式を又貸しすることになります。

STEP3:注文の成立

さて、投資家から信用売り注文を受け、約定すると、証券会社は (3)のように1株の株式を渡し、同時に、(4)のように200万円の現金を受け取ります。しかし、この現金も、信用買いの時と同じ理由で、投資家の手元にはとどきません。

STEP2で書いたとおり、株式はほとんどの場合、証券会社が証券金融会社から借りていますので、(5)のように決済されるまで証券金融会社に担保として預けられることになります。

貸借銘柄
「制度信用銘柄のうち、証券会社が証券金融会社から、資金・株式を借入れることを取引所から認められている銘柄」を「貸借銘柄」と呼んでいます。新聞の株価欄を見た時に、銘柄名の前に黒い丸印がついている銘柄が貸借銘柄です。
松井証券の無期限信用取引と一日信用取引では、松井証券が指定した銘柄の信用売りができます。一般的に、信用取引の対象は「売り」の妙味がある貸借銘柄に偏りがちで、商いの大半が貸借銘柄で行われています。

おわりに

いかがでしたか?信用取引は現物取引と比べ、少ない資金で大きく運用できるメリットがありますがリスクも高くなります。

しっかり内容を理解して始めましょう。

(photo by amanaimages)

(本文内画像 by 松井証券)

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本記事は、2016年05月11日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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