メジャーな国家資格から、おもしろご当地検定まで。
一口に資格といってもその種類はさまざまです。
今回は、設備管理の仕事へ就職・転職を狙った資格取得について取り上げます。
まず、たくさんの業種の中でも相当に関連資格の多い業界ということを認識してください。
関連性のある資格をすべて取得しようと考えると、大変な時間と労力が必要です。
極端に難易度の高い資格などは、就職後の検討でも遅くはありません。
そのため、業界内で「4セット」と呼ばれる4資格の取得を目指します。
電気工事士
今回取り上げる中で、最も花形の資格といえます。
第一種・第二種があり、一種は試験に合格しても免状を受けるためには一定の実務経験が必要です。
ですから、狙うべきは第二種電気工事士となります。
電気工事士は筆記試験が行われた後、筆記合格者のみ技能試験に進みます。
筆記試験は過去問が理解できていれば、極端に難易度の高いものではありません。
しかし、技能試験はハードルの高いところです。
実際に作業を行わなければならないため、工具、及び材料の確保が必須です。
尚、試験当日も工具持参となります。
また、全くの未経験者であるならば、指導する人間がいないと厳しいでしょう。
ただし、取得すると消防設備士や消防設備点検資格者の受験資格となり、十分な見返りがあるといえます。
危険物取扱者
甲種・乙種(1~6類)・丙種の区分がありますが、求められるのは乙種4類です。
今回のなかでは最も取得しやすい資格といえ、真面目に勉強すれば1週間以内での合格も可能でしょう。
しかしながら、分野毎に一定の得点を得る必要があるため、満遍なく理解することが求められます。
熱源の燃料を取り扱えるため、後述するボイラー技士と併せ持つと、より効果を発揮します。
ボイラー技士
特級・1級・2級に分かれており、いずれも実務経験や学歴の受験資格が必要です。
ですが、実務経験を有するとみなされる方法が存在します。
それは、各都道府県に存在するボイラー協会にて実施されている、「ボイラー実技講習」を受講することです。
講習は3日間に及び、比較的高額な費用が発生することがネックですが、受講すると2級の受験資格として認められます。
ボイラー技士は危険物ほどではありませんが、年間に数多く試験が実施されるため、一度ダメでもリベンジがしやすい(=取得しやすい)資格です。
現実はボイラー免許が必要なボイラーを設置している建物がほとんどなく、ペーパーライセンスとなってしまいがちですが…。
冷凍機械責任者
冷凍機、というと難しく聞こえるかも知れませんが、空調に関連した資格です。
第一種・第二種・第三種があり、誰でも受験が可能ですが、試験は年1回。
基本的には法令・保安・学識の3科目からなり(三種のみ学識なし)、各分野毎に一定の得点が必要です。
二種と三種は学識があるかどうか程度の違いといわれているため、いきなり二種を受験する方も少なくありません。
二種をもっていると少し羨望のまなざしで見られます。
そして、年に1度しかないチャンスをより確実にする方法があります。
それは、高圧ガス保安協会の実施する検定試験を受験することです。
この検定試験は二種の場合で学識・保安について行われ、合格すると本試験は当該二科目が免除され、法令のみの受験となります。
ただし、両科目とも一定の点数以上をもって合格となり、決して簡単ではありません。
尚、検定試験を受験するためには、3日間の講習を受講する必要があり、こちらも費用はお高めです。
しかし、仮に検定試験に不合格でも本試験の受験が可能なので、チャンスを増やす意味では非常に効果的だと思います。
おわりに
以上の資格があれば、業界へ入ることに近づくことでしょう。
もちろん、資格を取得して終わりではなく、業務に活かせるように継続的な学習が必要です。