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弁護士直伝、相手を黙らせる「口喧嘩の必勝法」

恋人、友人、上司、同僚など、普段多くの人とコミュニケーションを取っています。いつも楽しく話しができれば良いですが、そうもいきません。ときには考えや意見がぶつかり合い喧嘩になることもあるでしょう。「口がうまく回らず言い負かされてしまった」「感情的になってしまい言いたいことが言えなかった」など、悔しい思いをしたことはありませんか?そこで今回は、弁護士の方に「口喧嘩の必勝法」を聞いてきました。

関わる人間の数だけ、戦いの火種はあります。できることなら喧嘩は避けたいですが、どうしても避けられない事態もあります。しかし、いつも言い負かされて悔しい思いをしている、言いたいことが伝わらない…ということはありませんか?

現代は相手を殴り倒して評価される時代ではありません。拳をふるっても、警察のお世話になるか野蛮というレッテルを貼られるだけです。筆者たち現代人は拳の代わりに言葉を武器にして喧嘩に勝たねばならないのです。

そこで今回は、鳥飼総合法律事務所の客員弁護士であり、青山学院大学法学部の教授である木山泰嗣さんに「口喧嘩の必勝法」を聞いてきました。

勝ちたいのなら、喋ってはいけない

口喧嘩に勝つためには、威嚇のような大声を出したり、ベラベラまくし立てるように話してはいけません。

木山さん「まずは冷静になり、相手をよく観察することです。一歩引いた視点で相手とやりとりができるようになります」

口だけを使っていれば勝てる喧嘩も勝てません。相手のことを知らずに戦えばこちらが痛い目にあいます。目や耳も使って挑むのです。

木山さん「相手がなぜ怒っているのか、感情的になっているのかを分析します。しかし、話しながら考えるのは難しいため、聞き役に回るのが良いです。黙っていても相手はどんどん話してくれます」

相手の言葉全てに反論したくなりますが、そこはグッと堪えて、相手の言葉を受け止めるのです。相手と同じ土俵に立つと感情的になってしまい、観察ができなくなってしまいますから。黙っていれば、当然キツイ言葉も浴びせられます。しかし萎縮せず、冷静に対処すれば自分を見失うことはありません。

相手の言葉から反論する材料を揃える

木山さん「言葉は情報です。相手が喋ったことを聞き漏らさないためにも観察することです」

「沈黙は金」ということわざがありますが、まさにその通りです。下手にこちらが喋ると相手にとって有利な情報を提供してしまいます。「何とか言えよ!」と言われても二言三言で返し、相手に話をさせましょう。

木山さん「相手の怒りに応じず、どれだけ冷静でいられるかが重要です。口喧嘩であれば相手は話せば話すほど感情的になっていきます」

黙っている間は反論するための準備の時間です。「早く終わらないかな」と考えているのではなく、相手の言葉や表情に耳を傾けて話の弱い部分を探します。相手の話が一段落したところでようやく口を開くのです。

饒舌に話していたときとは違って、相手の話し方に勢いがなくなってきます。その瞬間を見逃さず、得た情報をもとに相手の論を崩すのです。

自分のペースを維持し続けることが勝利のカギ

口喧嘩をする相手はいつも同じ人とは限りません。臨機応変に意識するポイント変えていくことが大切です。

怒鳴り散らす相手に怒鳴ると自分を見失う

声が大きく、怒鳴りながら話す相手と喧嘩をしなければならない場合は、こちらも同じように声を張り上げなくてはいけない気がしますが、そんなことはありません。

木山さん「普段大きい声を出せない人が無理やり声を出すと、相手のペースにのまれる。そうすると、自分を見失うことになります」

上述の通り相手を観察し、自分ペースで話して弱点を見つけていくのが得策です。声を張り上げた瞬間こちらの負けです。声の大きさも相手が感情的になっていると捉え、一歩引いて取り合ってはいけません。

冷静に攻めてくる相手はイラつかさせる

自分より頭の回転が早く、弁が立つ人と戦わねばならないときもあります。いくら観察しても弱点が見えてきません。

木山さん「相手のペースを乱して、自分のペースに引き込むのです」

自分のペースに引き込むとはいえ、無理して怒鳴る必要はありません。

木山さん「質問されても答えをはぐらかすのです。議論が上手な人は、答えを予測して質問してきます。質問の答えはわかっていても、見当違いの答えを返すのです。相手は思う通りにいかずイライラし始めます」

頭を使って相手の話を聞いていないと、簡単な質問されたときに反射的に答えてしまいます。相手の言葉に対して注意して聞くと相手に主導権が渡りません。口が達者な相手に勝てるようになれば、怖いものナシです。

反論しやすいポイント3つ

相手を観察して情報を引き出し、弱いところを攻めるのが基本です。反論の際に攻めやすいポイントをご紹介します。

1:矛盾を見つける

木山さん「人間は矛盾を抱えるとマズいと思う生き物です。前に話していたことと違うことを相手が言い出すことがあります。その矛盾を突くと相手は黙り、すぐには反論できません」

相手の矛盾を見抜くためにも、しっかり相手の話を聞かなければなりません。会話は文章と違って、口に出したらそれまでです。こちらはただ、さっき言っていたこと違いますよねと指摘するだけです。反論するために論を組み立てる必要はありません。

いくつもある矛盾がある場合は質問攻めにして、相手が説明し続けなければいけない状況に追い込むのです。相手はペースが保てずイライラして、ボロを出してくるはずです。

2:相手の本音を見破る

木山さん「人は建前と本音を織り交ぜて話をします。注意深く相手の話を聞いていると、徐々に本音が見え始めてきます。人は本音を突かれると黙ってしまうのです」

いざ反論をしようと思っても相手の話が終わりそうにない、自分の話を聞いてもらえそうにないときに本音を突くと良いです。黙った隙を逃さずに話をして、自分のペースに相手を引き込みます。

3:先例との違いを突く

木山さん「他の人は良くて、自分だけなぜかダメということがあると思います。その点を攻めます。矛盾していることがバレたらマズいので、相手は説明せざるを得なくなります」

矛盾を指摘すると同じように説明を求めれば良いのです。相手の説明をよく聞き、おかしな点があれば質問します。質問することも攻撃の一つです。やり取りを続けていくと本音が見えてきて、実は相手の好みの問題だったなんてこともありえます。

また、自分が話すときは3つのポイントに注意して話さないと、思わぬところで揚げ足を取られてしまいます。

メールやLINEでの喧嘩は記録が残る

直接顔を合わせなくても、メールやLINEなどを使って場所を選ばずコミュニケーションを取ることができます。顔が見えないぶん表示されている文章からでしか状況が判断できず、誤解を生みやすいです。

木山さん「メールやLINEでの喧嘩は口喧嘩より簡単です。話したことが全て記録され残るからです。裁判でもメールの文章が証拠としてよく使われます」

口喧嘩は相手の言葉を覚えていなければいけませんが、その手間がなくなるので返事をすることに集中できます。しかし、こちらが書いた文章も残るので気をつけなければなりません。

ツールの特徴を理解して喧嘩をする

木山さん「自分がトラブルに巻き込まれそうなときは、メールやLINEでは余計なことは言わずに直接会いましょう。なるべく記録に残らない方法を選ぶのです。質問が来ても、会って返事をするのが良いですね」

会って話すということは記録に残らないというメリットだけでなく、相手の顔が見えます。文章だけではわからない相手の感情を読み取ることができるようになるのです。

木山さん「記録に残しておきたいときはメールやLINE、記録に残したくないときは会う、というように使い分けることが大切です」

コミュニケーションツールは便利ですが、トラブルに遭遇したときにも同じように使うと自分を不利な状況に追い込んでしまいます。冷静になって、自分が勝てる戦い方に持ち込むことです。

相手の話を全て聞いてから戦え

殴り合いの喧嘩であれば、相手より先に攻撃して打ち負さないと、こちらがやられてしまいます。しかし、口喧嘩も同じように先手必勝で行動すると返り討ちにあいます。どれだけ攻められても、殴られているわけではありません。

最後まで相手の話を聞きながら観察し、自分の番が来たら弱点を1つずつ攻めていくのです。些細なことでも見逃さず徹底的に追求し、相手をイライラさせ、冷静にさせてはいけません。

しかし、攻め過ぎると相手が爆発してしまい、手を出されるかもしれませんのでほどほどにしましょうね。

取材協力:木山泰嗣(きやまひろつぐ)さん

青山学院大学法学部 教授。鳥飼総合法律事務所 客員弁護士。1974年横浜生まれ。2001年に司法試験合格。税務訴訟及び税務に関する法律問題を中心に、2003年ー2015年3月まで訴訟弁護士として国税当局と課税処分を争う行政訴訟の代理人として活躍(主担当事件にストック・オプション訴訟などがある)。2015年4月から研究及び教育活動に力を入れるべく、青山学院大学法学部の教授に就任した。執筆活動も精力的に行っており、専門書のほか一般書の著書も多い(単著の合計は現在41冊)。代表作は『反論する技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。同書は翻訳版やコンビニ版(図解版)なども刊行されており、その姉妹版を含めると累計20万部を超えている。

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