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お金のプロが教える、NISAとのかしこいつきあい方

2015年06月30日作成

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銀行に預けていれば知らない間に利子で儲けが出る…そんな夢のような時代はとっくに過ぎ去り、汗水たらして働いても、お財布の中はかなり厳しいのが現状。これからの時代、お金を単に「ためる」だけでなく「ふやす」ことも大切です。

そんななか、投資による金融資産の形成を目標のひとつとして、NISA(ニーサ・少額投資非課税制度)が2014年1月からはじまりました。投資のハードルを下げて、若い人や初心者でも投資にチャレンジしてもらおう、という制度です。

しかし、制度スタートから1年半ほどたった今でも、「興味はあるけど投資はやったことないし、ハードル高いなぁ…」「貯金の少ない若者にはムリだよ」との声もちらほら。

そこで今回は、ファイナンシャルプランナーの久保田正広先生(以下、久保田先生)に、NISAについてお話を伺ってきました!

NISAの基礎知識、意外な落とし穴、そして若い世代におすすめの使い方をご紹介します。

目次

そもそもNISAってどんな制度?

概要

株式や投資信託で得られた配当や譲渡金(ここでは「儲け」と表現します)は、所得税などの課税対象となります。「儲け」にかかる税率は2014年1月以降、20%とされていますので、例えば「100万円儲けたら、20万円は税金でもっていかれる」ということになります。

しかしNISAを利用していれば、その「儲け」は最長5年間、非課税になります。先ほどの例で言うと「100万円儲けたら、税金はとられずにすべて自分のふところに入ってくる」のです!

20歳以上の日本国内居住者であれば、一人につき一口座を開設することができます。適用されるのは、平成26年から平成35年までの10年間

こちらの図を見ると分かるように、毎年100万円を上限として非課税の枠が定められるので、最大で500万円の非課税枠を手に入れることができます。

毎年投資を続けた場合、6年目になると1年目に投資した額は課税対象になります。その時点で売却するか、投資を続けるかは自分で選べます。投資を続ける場合、「6年目の新規投資とする」か、「課税口座に移し替える」かを選択する必要があります。

メリット

NISAの長所は、なんといっても「儲け」に税金がかからないこと。

久保田先生「非課税なのは投資を続ける上でありがたいこと。長年投資を続けていると、その間に税金がかかるのとかからないのとでは、最終的な額に大きな差が出ます」

まさに、ちりも積もれば山となる、といったところでしょうか。

久保田先生「初心者でも手を出しやすい少額投資に適しているのも魅力です。1万円投資して半額になったとしても、5,000円の損で済みますから、そこまで痛手ではないですよね」

そもそもが年間100万円までという少額での投資を見越した制度ですので、「ためしに少額から始めてみたい」という人が使うのにうってつけ。

投資と聞くと、素人からすれば数百万・数千万というスケールの大きな世界をイメージしてしまいます。けれど、投資には「月に1万円」など少額からはじめられる商品もあるので、未経験者でも低いリスクで投資できるんです。

もちろん一般口座で少額投資をしてもよいのですが、もしうまくいって「儲け」が出たととしたら、非課税のNISAのほうがうれしいですよね。

非課税で、少額投資も可能。多額の資金は必要ありません!

どんなリスクがあるの?

なんだか良いことばかりに思えてくるNISA。テレビや街中でもひんぱんに広告を目にしますが、デメリットについてはあまり耳に入ってきませんね。

しかし久保田先生によれば、NISAには意外な落とし穴があるとのこと。具体的に教えていただきました!

投資の上での注意点

ひとくちに投資といっても、さまざまな金融商品が出回っています。しかし、初心者にとって危険なのは「短期間の投資」とのこと。

久保田先生「実は短期の投資ほどリスクが高いんです。たとえば投資期間を5年とした商品では、過去データを見ると成功する確率と失敗する確率は同じぐらいといわれています」

ハイリスクな短期の投資は、初心者は特に避けたほうが無難。「投資の基本は長期保有」と覚えておいたほうがよさそうです。

「なら、長期投資をしよう!」とお考えのあなたにも、NISAを使うなら要注意です。

久保田先生「NISAでは、せっかく儲かっていたとしても5年たてば一度区切りを入れなくてはなりません。継続保有をしてもいいのですが、手数料などのコストがかかります。非課税で得をしたぶんよりも、コストでマイナスになった額のほうが大きくなってしまうこともありえます」

たとえプラスが続いていても、5年を区切りに流れが止まってしまいます。好調であればあるほど、売り時を見極めるのは難しいもの。特に初心者だと、このNISAの落とし穴にハマってしまうことが多いそうです。

値下がりしたらより損をする!?

NISAでは「儲け」が出れば非課税という恩恵をうけられますが、損失が生じたときにはさらなる損を被ることがあるという弱点があります。

例として、100万円で購入した株が40万円まで値下がりし、NISA期間終了後に70万円まで回復した場合を見てみましょう。

NISA期間終了時には、保有している株式は時価で一般口座へ移されます。

その後70万円まで値上がりすると、70万円−40万円=30万円の儲けが出たことになります。このとき、NISAではない口座では「儲け」が課税対象となるため、この30万円からは税金が引かれます

さきほどご紹介したとおり、「儲け」にかかる税率は20%。30万円の「儲け」の20%、つまり6万円が税金としてとられてしまうことになります。つまり、全体の損失はもともとの損失額30万円+税金6万円=36万円となるのです。

では、はじめから通常の口座で投資していたらどうなったのでしょうか?100万円の株が40万円まで値下がりし、60万円の損を出しても、申告をすれば他の投資で手にした利益と合算してもらうことが可能です。そのため、最終的に払う税金は6万円よりも少なくてすみます(これを損益通算といいます)。

このように、「値上がりすることがあるかも…」と見込んで保有し続けたけれど、予想とは裏腹に値下がりし続け、NISA期間が終わったときには大損になっていたなんてことも想定できるのです。

NISAを使ったからこそ、より損をしてしまうというリスクがあることは、しっかり覚えておきたいポイントですね。

そもそも日本人は投資にネガティブ?

NISAはイギリスのISA(Individual Savings Accountの略で、個人口座という意味)という制度を見本にしてつくられました。日本(Nippon)のISAだからNISA、というわけです。

ISAは、金融資産の形成・貯蓄を目的として1999年からイギリスではじまった制度です。現在でも国民のおよそ40%が利用しています。

久保田先生によれば、アメリカでも国民の投資はかなり一般的な存在で、個人の金融資産の約46%が投資によるものなのだそう。欧米では投資が一般に広く定着しているんですね。

対して日本では、個人の金融資産の53%が預貯金によるものといわれています。投資の割合は約16%ほどにとどまるそうで、その違いは一目瞭然。

久保田先生「日本人はやはり安定志向が強いですね。『儲けるのは汚い』とか『お金の話はダメ』といった風潮も少なからずあります」

欧米では浸透している個人の投資ですが、それを日本で同じように真似することはかなり難しいため、「非課税だから」「初心者にもおすすめだから」と安易に手を出すと、痛い目を見る可能性もあります。

不況が続けば、安全・安定を求めるのもおかしいことではありません。しかし、「絶対に値下がりせず、安定してプラスのままで、利益もたくさん出したい…」そのような考えの人は、安易に投資に手を出さないほうがよいのかもしれません。

リスクをしっかり理解したうえで、NISAを利用するようにしよう!

初心者はどう使えばいいの?

NISAに意外なデメリットがあることはよくわかりました。では、その短所を踏まえた上で、どのように利用していけばよいのでしょうか?

NISAとのつきあいかた

久保田先生「おすすめの使い方としては、長期運用のうちの一つの方法として利用することです。NISAを目的にするのではなく、手段の一つと考えましょう」

20年、30年といった長い投資計画のうちのひとつとして、まずNISAを試験的に使ってみるのがよいそうです。若い世代には貯金も少ないので、積み立てで始めていくのがおすすめとのこと。少額投資でスタートできるNISAの利点を生かせますね!

口座をつくるときは

では、数ある金融機関の中で、NISA口座をつくるとしたらどこがおすすめでしょうか?

久保田先生「おすすめなのはネット証券です。使いやすさなど、好みで選んでしまって構いません。金融機関の窓口で提案される商品は、向こうが売りたいと思っているもの。すすめられるままに買うのは危険です」

たしかに、窓口での対面式だと、営業トークにはまって自分の判断力が鈍ってしまうかもしれませんね。自由に比較検討を行えるネット証券なら、選び抜いた商品好きなタイミングで手続きを行えます。

また、証券会社のほうが、銀行よりも金融商品を幅広く取り扱っているそうなので、より多角的な商品の組み合わせが可能になるといえます。初心者だからこそ、ネット証券を選んでみるのがいいのかもしれません。

おすすめの商品

NISAでは長期投資がおすすめな点は、すでにご説明したとおり。長期投資といってもいろいろなものがありますが、どのようなポイントに気をつければよいのでしょう?

久保田先生「個別銘柄で株式を買うよりも、分散・バランス型の投資信託のほうがおすすめです。ちなみに、すすめられるがままに買って、フタを開けてみたら全然バランスしてなかった、ということもあります。中身をきちっと見るようにしましょう」

提案された商品を鵜呑みにせず、自分で内容や動向をしっかり調べて投資しなければなりませんね。

また、分散投資をするうえで大切なのはアセットアロケーション(資産配分)。新興国はよく売られている一方、一気に10%以上値下がりすることもよくあるそうです。そういった商品に一括で投資するのは避け、日本・アメリカ・ヨーロッパに分散投資するのがおすすめとのこと。いくつかの投資信託を組み合わせて、自分の考えた資産配分にしていくのもよいそうです。

久保田先生「毎日株価が気になるようでは、とても仕事にならないですよね。買ったらほうっておいても構わないような、長い目で見る投資をしましょう」

商品選びで注意すること

しかし、いざ商品を選ぼうとすると、なかなか迷ってしまい難しいもの。とりあえずランキング上位にいるものなら安心でしょう、とうかつに手を出してしまいがちですが、ランキングには実は危険がたくさん潜んでいます。

久保田先生「ランキング上位の商品には安易に手を出さないようにしましょう。売れ筋の商品はバランス型でないことが多いですし、どんな人が買っているか分かりません。もしかしたら、会社の意図があってランキング上位に配置されているのかもしれませんよ」

ランキングに弱い日本人は多いですが、「売れていれば安心」とは限らないのが投資の世界。ネット証券は商品選びの相談には乗ってくれないので、自分の知識を頼りに商品を選ばなくてはいけません。

自分の状況や目標を吟味せず、売れ筋の商品にとりあえず手をつけるようでは、大損をする可能性もじゅうぶんに考えられるということですね。ランキングにまどわされず、中身をしっかり確認して購入を決めることが大事です。

ほかに気をつけることは?

いつでも順風満帆、とはいかない

久保田先生「投資で継続してプラスにしていくのは、簡単なことではありません。プロだって苦労することですから、初心者にしたらなおさらです」

いざ投資をはじめるとなると「あっという間に大儲け!」を夢見てしまうかもしれません。けれど、現実はそんなに甘くないもの。プロだって大損を出すことがあるのだから、私たち初心者はなおさらです。

自分も周囲と同じように成功するとは限らない

久保田先生「実際にNISAで儲けている人が身近にいると、『そういうものなのか』と思ってたいした勉強もせずに、手を出してしまうことがあります。自分でしっかり知識をつけていないと、大損することもありますね」

「資産運用は早い方がいい?20代から始める投資のススメ」でもお話されていたように、「周囲の成功事例を鵜呑みにしてはいけない」ことは肝に銘じておきましょう。

今の若い世代には、バブル崩壊やリーマン・ショックといった大暴落を自分に関わることとして捉えている人は少ないです。お金の世界では、「周りがやっているから安心」という考えは通用しません。

「少しくらいの損は勉強料」と思えるくらい、気長に構えよう!

チャレンジは早いほどいい!

NISAの意外な欠点や、向いている・向いていない投資のしかたがあることは、単に広告を見ているだけではあまり頭に入ってきません。

しかし、投資に使うのはまぎれもない自分のお金。いざというときに後悔しないよう、他人任せにせずに、しっかりと知識をつけたうえで運用していきたいものですね。

資産運用は早ければ早いほど良い、と言われています。それは、少額投資をコツコツと積み立てることで、最終的には大きな資産を形成することが可能となるからです。また、たとえ損をしてしまっても、若いうちであれば取り戻せるだけの時間がたっぷりあります。

久保田先生「初心者の方が投資を始めるには、悪くない流れだと思いますよ。若ければ若いほど、損をしても取り戻すことができます。まずは少額から始めてみるとよいでしょう」

興味があっても「給料が増えたら」「時間ができたら」と先延ばしにしていた投資、このタイミングで足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?

今回お話を伺ったのはこちら!

久保田 正広先生

ファイナンシャルプランナー。株式会社FPバンク代表。高校生・大学生の男の子を持つパパでもある。「よい点ばかりでなく、注意点もしっかり知っていただきたいですね」と久保田先生。

ファイナンシャルプランナー相談無料のFPバンク|東京駅前

ファイナンシャルプランナー相談無料のFPバンク(東京駅前)は独立系FP事務所です。資産運用や住宅購入・住宅ローン、保険見直し、相続対策等お金のプロのファイナンシャルプランナー・FPが中立な立場で相談し、あなたの財産を増やして守ります。

www.fpbank.co.jp

(image by amanaimages)

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本記事は、2015年06月30日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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