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実は誰でも開業できる?探偵が教える「探偵になる方法」

2015年05月08日作成

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名前を聞いたことはある。ドラマの世界では知っている。でもいまいちリアルなことがわからない、実在する職業「探偵」。どうすれば探偵になれるのか。どんな仕事を行っているのか。どういった楽しさやツラさがあるのか、知りたくありませんか?

そこで探偵会社の中でも創業65年目という老舗、児玉総合情報事務所の代表取締役・金澤秀則さんに探偵の実情を伺ってみました。

目次

開業or就職という二択

公的資格が存在しない探偵業。警察庁への届出さえ受理されれば、実は誰でも開業できるそうです。

金澤秀則さん(以下、敬称略)「条件を満たしていれば大丈夫です。ですが公的な資格が必要なく敷居が低いぶん、残念ながら実力もない名ばかりの業者も多いという実情があります」

探偵として開業できない人は以下のとおり。これらに当てはまらなければ、誰でも開業できます。

1.成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
2.禁錮以上の刑に処せられ、又は探偵業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
3.最近5年間に営業停止命令・営業廃止命令に違反した者
4.暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
5.営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が 1 から 4及び6のいずれかに該当するもの
6.法人でその役員のうちに 1 から 4 までのいずれかに該当する者があるもの
(出典:「探偵業の業務の適正化に関する法律」等の概要|警視庁

探偵を名乗り始めたものの、実力はないし顧客もいない・・・。そうならないためにも、やはりどこかの組織で下積みを積んだほうがいいのでしょうか。

金澤「一概には言えないですね。探偵業とは、情報収集がうまければ成り立ちます。つまり、情報収集の腕さえある方なら、自営業でも3年もあれば軌道に乗るのではないでしょうか。営業から転職されて成功した方もいますし、得意不得意はやってみなければわかりません」

思ったよりも敷居は低いようです。ですが開業はやはり勇気のいるもの。適正を見るという意味でも、いったんは研修生として探偵事務所に就職するほうが無難かもしれません。

最近では職業安定所にも探偵事務所の求人情報が出ているそう。事務所に就職すれば、警察への届出も会社がやってくれるので、手間がかかりません。なお、就職した場合の年収はおよそ400万〜500万。個人で探偵を行うと100万〜1000万と、かなり年収にばらつきが出ます。

「養成所」で訓練してみる

今回取材した児玉総合情報事務所は、日本でも数少ない「養成所」を抱える探偵事務所。そこではおおまかに、このようなことを教えているそうです。

  • 依頼の引き受け方
  • 調査価格の査定の仕方
  • 調査方法、基礎、応用
  • 調査報告書の書き方

上記の流れを身につけることが、探偵として活動する初歩だそうです。確かに素人には探偵のノウハウはわかりませんから、「調査方法の基礎・応用」は早めに知っておいて損はないでしょう。

ところが最近では養成所のニーズも様変わりしてきたようで、金澤さんはこう続けます。

金澤「弊社では企業から派遣される方に教えるケースが増えています。たとえば、債権回収を行う会社に調査技術を教えるなどです。探偵の『技術』は様々な方面で求められているようです」

探偵はどうやって仕事をもらう?

フィクションの世界では、依頼者が直接探偵社を訪ねたり、事件現場に探偵が居合わせる・・・といったパターンをよく見かけるもの。実際には、どうやって依頼を受けているのでしょうか?

金澤「お付き合いのある弁護士事務所からの相談がわりとありますね。公判で使う証拠材料にするため、浮気や素行調査などを頼まれます」

弁護士からの依頼のお仕事だと、間違った情報は提供できません。正確さが求められる仕事になるそうです。

このように信頼関係が築けている弁護士事務所との仕事であれば、依頼者も信頼できる人となります。しかし最近では、WEBサイトを見てからやってくる依頼者も増えています。そんな初見の依頼者に対しては、「人を見る目」が必要になってくるそうです。

金澤「『依頼者を家族と思え』という言葉があるんですが、その前に『まず依頼者を疑え』というのが鉄則なんですよ。身分を公的なもので明らかにしてもらい、依頼者の話を吟味する。ときには意地悪な質問をしてどう返ってくるかを見たり、その日は保留にして『また来てください』と伝えたり。本気であればまた来るでしょうし、疑わしかったら下調べもできます。お金は欲しいですが、人として正しいのかという価値判断は絶対に必要ですね」

探偵の大変なこと

休みが定期的にとりにくい

探偵の仕事は、調査対象の隠された素性を調査すること。仕事内容は対象者の生活や行動に左右されるため、特に自営の探偵は時間が不規則となり、プライベートがなくなってしまうそうです。デートが全然できないとか、子供の学校行事に参加できた試しがないとか・・・。苦労話は尽きません。

金澤「会社の就業後の夕方以降こそ、我々が調査する時間帯ですからね。なかなか予定が立てられないですよ。人によっては『あれ?パパまたいないの?』と、チクチク言われているようです(笑)」

家で仕事の内容を話せない

事務所に飾られた額には、創業者の児玉さんが書いた「親といえども絶対秘密」の文字がありました。どれだけ仕事が大変でも、愚痴の一つもこぼせないとなると、なかなかハードな仕事と言えます。

金澤「人のプライバシーを扱いますからね。人の弱みを握る仕事って、裏を返せば脅迫の材料を扱う仕事なわけです。嫁にも話せませんよ」

しかし金澤さんは、「それでも探偵なりの喜びがあるからこそ、仕事を続けられる」と言います。自分の成果を世に公表することはできなくとも、自分の仕事で誰かが救われている。その誇りを胸に頑張れるそうです。

どんな人が探偵に向いている?

探偵の仕事といえば、尾行や張り込みなど地道な作業です。向き不向きはあるのでしょうか。

金澤「正義感が強く、正直で、熱意のある人ですね。それさえあれば、初心者でもうまくいく場合があります。むしろベテランにこそ油断が生じやすいですからね。常に新鮮な気持ちで仕事に向かい合えば、どなたでも頑張れると思います」

身長が高い、太っているなど、尾行に不向きそうな目立つ人でも、人当たりがよく「聞き込み」で真価を発揮することもあるそうです。

金澤「我慢強い人も向いていますね。対象者がいつ動くかわからなくて張り込みが一昼夜にわたるケースもありますから、耐えられる人がいいでしょう」

逆に、探偵に向いてない方は「おしゃべり」。秘密保持の概念がない探偵は失敗するそうです。

これからの探偵像とは

最近では、インターネットリサーチも探偵の仕事のひとつ。SNSを調べることで人間像や人間関係が浮き彫りになりますし、匿名掲示板に転がっている情報もあります。また、公的機関のサイトを熟知している人は、そこから情報を得ることもあるそうです。

さらには今後、英語や中国語などの「語学力」が探偵の大きな強みになると、金澤さんは教えてくれました。

金澤「国際結婚で相手の素性を調べたい、という依頼もありましたね。依頼者が企業の場合ですと、海外進出を狙う会社が、現地の同業者の動向を調査したいというケースもありました。語学にしても何にしても、得意分野を持っているなら、それを活かさない手はないと思いますね」

様々な秘密と向き合い、依頼者の助けとなっている「探偵」という職業。ひょっとしたらあなたにも、名探偵の素質が備わっているのかも知れません。

今回お話を伺ったのはこの方!

児玉総合情報事務所 代表取締役 金澤秀則さん

(image by 足成1 2)

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本記事は、2015年05月08日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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