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黄金期から現代へ。フランス映画の「カンヌ」受賞歴をたどってみた

2015年05月07日作成

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カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭は、世界三大映画祭と言われるイベントです。多くの有名監督がこれらの映画祭の主要部門で受賞しています。ここで受賞することは名誉なことで、世界的に報道されるため無名監督にとっては出世するチャンスでもあります。

そんな三大映画祭の中の1つ、フランスの都市カンヌで開催されている「カンヌ国際映画祭」は、1946年から始まりました。戦争のため開催されなかった年もありますが、毎年5月に行われます。

「開催国のフランスが有利なのでは?」と思えますが、実際はそんなこともなく、フランス映画が何年もの間受賞できないことはざらにあります。これまでもいろいろな国の映画に最高賞である「パルムドール」が贈られており、もちろん日本の映画も何度か受賞しています。

フランス映画の最盛期は1960年代で、それまでの映画の定石を覆す「ヌーヴェルヴァーグ」と呼ばれる新しい映画作品の多くがフランスから生み出されました。この時代、合作映画も含めると5作品がパルムドールに輝いています。

その後、ヌーヴェルヴァーグの波はアメリカ・ハリウッドへと派生していき、パルムドールもしばらくフランスからは離れてしまいますが、2000年以降になると、再び数多くのフランス映画がパルムドールを受賞しています。

そこでここでは、カンヌ映画祭の開催国であるフランスの、60年代と2000年以降におけるパルムドール受賞作品をまとめてみました。映画好きは要チェックです!

60年代のフランス映画まとめ

「かくも長き不在」/1961年

パリ郊外でカフェを営む女性は、ある日店に立ち寄った中年の浮浪者に目を留めます。彼は、戦争中に生き別れた夫にそっくりだったのです。しかし、彼は拷問によって記憶喪失になっていたのでした。

この作品は、第14回カンヌ映画祭でパルムドールを受賞しました。同時に、フランスの映画賞「ルイ・ドゥリュック賞」も受賞しています。

監督のアンリ・コルピは、映画監督、脚本家、音楽家など多くの仕事をこなす多才な人物です。しかし長編映画は数本しか監督しておらず、ほとんどテレビシリーズを手がけていました。

この映画はDVD化されておらず、ビデオとレーザーディスクのみとなっています。さらにはそれも廃盤というレア感満載の映画作品です。

レアビデオ・廃盤ビデオなどを取り扱っているお店なら在庫があるかもしれません。どうしても観たい方は手当たり次第問い合わせてみましょう!

「シェルブールの雨傘」/1964年

雨傘屋の娘ジェヌビエーブと自動車の修理工のギイは互いに愛し合っていましたが、ある日ギイに召集令状が来てしまいます。ギイが出兵してから、彼女が子どもを授かっていることがわかりました。彼女はギイを待ち続けますが、彼からはなんの便りもありません。

この作品は、すべてのセリフにメロディがつけられている完全なミュージカル映画です。作中で使われている音楽は、監督のジャック・ドゥミと、ピアニスト・映画監督をしているミシェル・ルグランが手がけています。

今までに何度もリマスターされている作品ですが、日本はフランスからオリジナルネガを取り寄せデジタルリマスターを行い、全世界に先駆けて公開しました。

デジタルリマスターは、録画フィルムをデジタル化する上で、汚れやキズを取り除く作業をし、データを複製することです。

「男と女」/1966年

パリで一人暮らしをしているアンヌは、夫を事故で亡くしてつらい日々を送っていました。ある日彼女は寄宿舎に預けている子どもに面会しに行きますが、うっかり帰りの電車を逃してしまいます。そこに声をかけてきた1人の男性。彼も子どもを寄宿舎に預けていて、そして妻に自殺された経験を持っていたのでした。

監督のクロード・ルルーシュは、映画をいくつか監督するも批評家たちに酷評され、無名状態が続いていました。しかし、ノースポンサーで制作したこの「男と女」がカンヌ映画祭でパルムドールを受賞し、出世を果たします。

これで安泰かと思われましたが、ルルーシュはある作品で、政治的な観点から批評家に嫌われる題材を監督したため、正当な評価を受けられない時期が続いてしまいます。何かと苦労している監督なのです。

最近のフランス映画まとめ

「アデル、ブルーは熱い色」/2013年

女子高生のアデルは、青い髪の画家・エマに出会います。彼女の知性や感性、そして大人っぽい雰囲気にアデルは夢中になり、2人の友情は愛情へと変わりました。エマはアデルをモデルに絵を描き幸せに過ごしていましたが、エマの作品披露パーティーが行われてから2人の気持ちはすれ違っていくのでした。

同性愛者の恋愛を描いた本作は、その過激な描写ゆえにR18+に指定されています。この映画は2つの史上初を得た作品であり、1つは原作がグラフィックノベルだったこと、もう1つは監督の他に主演女優2人にもパルムドールが贈られたことです。

監督のアブデラティフ・ケシシュは、普段は温厚なのに撮影に入るととても厳しいことで有名です。俳優陣・スタッフをとにかく酷使し、不満を吐露する人も少なくありません。しかしその中でできる映画は完成度が高く、批評家たちからも高評価です。

「愛、アムール」/2012年

幸せな日々を送っていた老夫婦。ある日、妻のアンヌが病気で倒れてしまいます。一命は取り留めたものの手術は失敗し、アンヌは不自由な生活を過ごすことに。夫は自宅で献身的に介護するも、日に日に弱っていくアンヌ。静かに終わりのときが近づいていく中、夫は懐かしい思い出を妻の傍らで語りはじめます。

オーストリア・フランス・ドイツの合作映画です。「後味が悪く見ていてつらくなる映画をつくる」と定評のあるミヒャエル・ハネケが監督しています。ハネケ監督は前年のカンヌ映画祭でも「白いリボン」でパルムドールを受賞しているので、2作連続受賞ということになります。

心を抉る映画を数多く作り、不快指数トップクラスの監督とも言われるハネケ監督。「愛、アムール」は一見老夫婦の愛を描いた美しいストーリーのように思えますが、「老老介護」という過酷な現実をキレイ事いっさい抜きで突きつけてきます。何にせよハネケ作品ですので、油断していると痛い目に遭いますよ。

「パリ20区、僕たちのクラス」/2008年

出身国や生い立ち、将来の夢も異なる、パリ20区の24人の生徒。彼らは、授業中でも帽子をとらない、揚げ足を取るなど、反発心旺盛な子どもたちでした。担任のフランソワは彼らに苦戦しますが、真剣に24人の生徒たちと向きあおうとします。

実体験を元にして書かれた小説が原作となっています。筆者のフランソワ・ベゴドーは本作で脚本と主演を務めました。24人の生徒は、演技経験のない本物のパリの中学生で、監督とのワークショップを経て演技をしています。

監督のローラン・カンテがつくる映画はドキュメンタリー風の作品が多く、あまり俳優を起用しません。自分の家族をキャストにした映画もいくつかあるそうです。リアリティにこだわって製作しているんですね。

「ある子供」/2005年

20歳のブリュノは10代の少年と盗みを働き、盗品を売って稼ぐという生活を送っていますが、18歳の恋人ソニアとの間に子どもが産まれました。父親としての自覚がないブリュノは、赤ん坊を預かったときにそのまま養子として売ってしまいます。

ベルギーとフランスの合作映画です。兄弟で監督をしているジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ(通称ダルデンヌ兄弟)にとって、2度目のパルムドール受賞作となりました。以前は「ロゼッタ」で第52回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞しています。その他の作品でもカンヌ映画祭の主要部門で、5年連続受賞しています。

名前が似ていますが、「アメリ」などを手がけているジャン=ピエール・ジュネというフランスの監督は別人です。

2015年のカンヌ映画祭に注目!

オシャレの代名詞「パリジェンヌ」でも有名なフランス。今年のカンヌ国際映画祭では、パルムドールに輝くことができるのでしょうか?5月13日から24日までの間、公式サイトやカンヌ映画祭チャンネルなどで、イベントの様子をチェックしてくださいね!

(image by amanaimages)

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本記事は、2015年05月07日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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