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「上司学」に学ぶ、部下との正しい付き合い方

2015年03月25日作成

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今まで一番下っ端だった自分に部下ができた!――そんなとき、まずは何から始めればいいのでしょうか。

そこで今回は、部下と信頼を築くためのコミュニケーション方法について、「上司学」コンサルタントの嶋津良智さんに聞きました!

目次

上司になったら、まずすべきこと

部下は、学生時代でいう「後輩」とは違います。ここでは、部下ができたらまずすべきことをご紹介します。

自分の視点を高くする

部下ができた=チームでの動きを求められることになります。今までは個人プレーで好き勝手に会社へ貢献できていた人も、部下のことを考えながら動かなくてはなりません。部下が成功をおさめない限りは、自分自身の成功もありません。

また、今までとは違い、自分でこなしていたタスクを部下に割り振る業務も発生します。その際、誰に任せるべきか、状況や個々のスキルなどによって判断が迫られます。

上記のようなことをクリアするためにも、上司になったらまずは部下と自分の状況を見渡せるような、視点の変化が必要です。

信頼関係を築く

お互いの信頼関係をしっかり築いていないと、情報共有がスムーズにできないことがあります。

信頼関係さえしっかり築いていれば、トラブル発生時でも被害を最小限にとどめ、かつ迅速な対応が可能になります。

指導するときは「横から目線」

優秀な人ほど、部下が自分と同じようにできないことへ苛立ちを感じやすい傾向があります。

部下を持つ立場の人は、優秀だからこそ、そのポジションに立っています。自分の「普通」が、すべての人にとって「普通」ではないことを改めて知っておきましょう。部下が自分の求めるレベルに達していないなら、一度同じ立場になり、引き上げいくための指導をする必要があります。

部下の文化や価値観を尊重する

自分が親しんできた文化や価値観を部下に押し付けるのはNGです。部下自身も、自分なりの価値観を構築しています。それを変えようと努めても、部下にとってはありがた迷惑でしかないものです。

上司になったら、自分とは違う価値観や文化を持っている相手を受け入れる「心の器」が必要です。部下が思うように価値観を変えないことに対し、苛立ちを感じる人もいますが、それではお互いが摩耗するだけで終わってしまいます。

「上司学」コンサルタント・嶋津良智さん(以下、嶋津さん)「近年『部下が飲みなどに誘ってもついてこない。コミュニケーションがとれない』と嘆いている管理職の方の話がちらほらと話題にあがります。それは理解に対する努力不足が招いた結果です。部下が飲み会に参加しない理由はなんでしょうか?部下本人に聞いてみる努力を怠ると、永遠に相互理解は生まれません」

部下を「褒める」「叱る」ときの基本

嶋津さんいわく「褒めることと叱ることは、信頼を築く手段でもあり、信頼を崩す手段にもなりうる」とのこと。では、どうすれば信頼関係が強固になるような褒め方・叱り方ができるのでしょうか。

褒めるときも叱るときも、基本的に「その事実にフォーカスすること」が大切です。基本的なやり方は次のとおりです。

  • STEP1:行動や状況を口にする
  • STEP2:行動の成果や影響を伝える
  • STEP3:上司の気持ちを伝える
  • STEP4:相手を尊重した言葉をかける(※叱るときのみ)

STEP1:行動や状況を口にする

まずは部下のした行動を口にしましょう。例えば「さっき電話をとっていたよね」など。

これがないと、部下はなぜ褒められているのか、叱られているのかがわからず、褒め言葉は嘘らしく、叱るときは回りくどく感じられてしまいます。

STEP2:周囲への影響を伝える

次に、その行動が周囲の人間や部下自身の評価などにどのような関わりがあるのかを伝えましょう。

部下にとって叱られるとき「なぜそれがダメなのか」を理解できていない場合があります。当然、理由がわからないままダメだと言われても、納得できません。部下の理解を促すためにも、理由を提示する必要があります。

褒めるときも同様に、「それをすることで周囲の人間や自分自身の評価にどんな影響を与えるか」を理解してもらいましょう。

STEP3:上司の気持ちを伝える

上司としての、自分の気持ちを伝えましょう。

STEP4:相手を尊重した言葉をかける(※叱るときのみ)

叱る場合は、最後に部下自身を尊重する言葉を忘れないようにしましょう。

一方的に叱ると、部下自身は納得できず、行動を改めない可能性があります。部下自身を尊重し、かつ言葉をかけることで相互理解へとつながります。

【基本編】褒めてみよう

以下は、部下を褒める際の例です。

  • 「今、気持ちのいい挨拶したね(行動や状況を口にする)」
  • 「周りもきっといい気持ちになったと思うよ(行動の成果や影響を伝える)」
  • 「私はとても嬉しいよ。ありがとう(上司の気持ちを伝える)」

褒めるポイントがわからないときは、紙に書き出します。部下が会社で行なっている業務だけでなく、身だしなみや挨拶、言葉遣いなど、あらゆるビジネスシーンで使われるスキルなどを考えましょう。

それでも思い浮かばないときは「自分が人にされて嫌なこと」を書き出してください。もし部下が特定の項目に該当しないのなら、「それはできている」ということです。できていることは褒めましょう。

事実に基づいていないことは褒めなくていい

事実に基づいたことを言わないと、褒めがお世辞のように聞こえることもあります。必ず、事実に沿ったことを褒めるようにしてください。

褒めベタなら、無理に褒めなくていい

「褒め」になれていない「褒めベタ」な人は、褒め言葉がわざとらしく聞こえてしまうこともあります。褒めるのが難しいのなら無理に褒める必要はありません。

最も大切なことは、「褒めること」ではなく「認めること」です。認めるというのは、「電話とったね」「ノルマ達成したね」など、「行動や状況を口にする」さえすればOKです。

【基本編】叱ってみよう

叱るときには最後に「相手を尊重する言葉」を入れます。具体的には下記のとおりです。

  • 「今、君は挨拶をしないまま席についたね(行動や状況を口にする)」
  • 「君がそうしていると周りもいい気はしないし、将来君に部下ができたときに、部下は挨拶をしなくてもいいと思ってしまうよ(行動の成果や影響を伝える)」
  • 「私はとても残念に思う(上司の気持ち)」
  • 「この件に関して君がどう思っているのかを聞かせてほしい(相手を尊重する言葉)」

体調が悪いときに叱られると、モチベーションを崩す部下もいます。そんなときは、叱り方の構成を組み替え、最初に「相手を尊重する言葉」を入れる必要があります。

  • 【会話例】
  • 「なんか今日、調子悪そうだけど、どうした?(部下への尊重)」
  • 「はい・・・」
  • 「そうか。実は、△△なミスがあったんだが・・・(事実の確認)」

怒らない、怒鳴らない

「叱る」と「怒る」は違います。いくら腹立たしいことがあっても、怒りの感情を部下にぶつけてはいけません。

嶋津さんいわく「怒りの感情は暴力の一種」とのこと。相手に対して物理的な暴力をふるえば、信頼や信用は崩壊します。怒りの感情をぶつけるのも同じと言えます。

嶋津さん「怒りを感じること自体は否定しません。ただ、それを表面に出すときの方法は考えなければならないと思います」

【発展編】コーチングの手法を取り入れた叱り方

コーチングの手法を使って、改善と反省を促す方法をご紹介します。

コーチングをする前に部下に了承をとろう

コーチングを実践する前には、部下にも了承を得ましょう。

技術書に書いてあるようなことを実践しているだけなので、部下にとっては「わざとらしさ」を感じてしまいます。指導による成果が上手く発揮されないという結果になりかねません。

実践する前に、部下へ「ちょっとコーチングの練習したいから。質問が増えると思う」と、正直に伝えましょう。これにより、部下も「考える事」への心構えがうまれます。

コーチングの手法を取り入れた叱り方

これは、上司が部下に具体的な解決策を指示するのではなく、部下自身の思考能力をあげるための育成方法です。具体的には、部下に「どうするべきだったか?」「何が原因なのか?」を聞いていくだけでOK。たとえば、下記のようなものです。

  • 【会話例】
  • 部下「●●が△△なミスが発生しました」
  • 上司「そうか。それは何が原因だったの?」
  • 部下「■■が✕✕であったことが考えられます」
  • 上司「ふむ。じゃあ、対策としてはどうしようか?」
  • 部下「・・・■■を▼▼にするため、従業員全員に周知してもらう施策を検討します」

これは叱るときときだけでなく、相談されたときにも使えます。その場合は次のような流れになります。

  • 【会話例】
  • 部下「●●さん、さきほどメールで相談した■■の件でご相談なのですが・・・」
  • 上司「うん、メールみたよ。君としては、どうしたいの?」

もし考えようとしない部下がいる場合、物事を自主的に考えることの必要性を解く必要があります。なぜ考えることが大切なのかを、部下の利益につながることと絡めて教えましょう。

嶋津さん「部下が『わかりません』と答えたら、『じゃあわかったらまた私のところに来てくれ』と伝えて、考えることを促してください」

軽いところからトレーニングしよう

紹介した方法をいざ実践しようとしても、すぐにはうまくいきません。頭の中で「知識」としてあるだけで、まだ実践できるほど身についていないからです。

確実に身に付けるには、まずトレーニングをして「単なる知識」から「心からのコミュニケーション」へと昇華させる必要があります。

小さなところから始めてみよう

上記のスキルを実践していくには、小さなことから始めてみましょう。

  • 【例:電話をなかなかとらなかった部下に対して】
  • 「いま君は電話をとったね」
  • 「電話を取れない新人が多いけど、君はとれるから、きっと周囲の人間は『デキる新人だ』と認めてくれるよ」
  • 「君がそうやってとってくれるから、私はとても助かるよ。ありがとう」

最初は不自然でも、くり返し行うことでお互いにとって自然なコミュニケーションになっていくはずです。

今回お話を伺ったのはこちら!

嶋津良智さん

『上司学』コンサルタント。IT系企業での営業・支店長経験、独立からの上場経験をもとに業績向上のための『上司学』プログラムを編み出す。現在では、世界13都市でセミナーの講演を開催。自身の著書には『怒らない技術』『あたりまえだけどなかなかできない 上司のルール』など多数。

(イラスト:あまを)
(ライター:高根ちさと)

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本記事は、2015年03月25日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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