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去り際が大事!常見陽平さんに「無駄に消耗しないための転職術」を聞いてみた

2015年02月26日作成

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転職が決まった!けれど、来たるXデーまでの間、現在の職場ではどのように過ごせばいいのでしょうか。また、転職先の新しい職場で気をつけるべきことは?

そこで、転職や就職について数々の著作や記事を執筆されている常見陽平さんに、無駄に消耗しないための転職術を聞いてみました!

目次

【仕事編】引き継ぎをしっかり行うためにすべきこと

転職が決まったら当然、現状抱えているプロジェクトなどの引き継ぎ作業を行う必要があります。

ここでは、引き継ぎをするときのポイントをご紹介します。

引き継ぎたい内容を書面に落としておこう

引き継ぎたい内容は、必ず書面に落としましょう。

引き継ぎは、口頭で伝えるだけでは言った・言わないのトラブルが発生する可能性があります。また、引き継いだ相手(=後任者)が急遽異動する・・・ということもありえます。そうなったときのためにも、以下のものを整理しておきましょう。

  • 業務をマニュアル化したもの
  • 業務関連のメール
  • 業務関連のドキュメント
  • 取引先の名詞
  • 取引先ごとの情報をまとめたファイル

上司にも立ち会ってもらおう

引き継ぎ先は後任者だけではなく、その上司や自分の上司にも立ち会ってもらうのが理想です。

例えば、AさんからBさんという人に引き継ぐ際には、Aさん・Bさんそれぞれの上司が立ち会うという状況が理想です。少なくとも、片方には立ち会ってもらえるように調整しましょう。

引き継ぐ相手が未経験者(後任が他部署から移動してきたケースなど)ということは、新年度など異動の時期だとよくあります。

上司の立会いは、こういった場合にも有効です。

取引先とのトラブルは必ず共有

取引先などで起こったトラブルなどは包み隠さず話しましょう。特別対応が必要な取引先や、担当者の癖(納期や料金に関して厳しい)なども重要な情報です。

過去にあったトラブルをちゃんと伝えておかないと、後任者から「わかっていたことなのに、なぜ伝えてくれなかったのか」と文句を言われることも。トラブルの元となりそうなことほどしっかり把握し、後任者に共有しましょう。

常見陽平さん(以下、常見さん)「ビジネスの基本ですが、普段からできるだけ自分の仕事のログは残しておくと、トラブルになったときの証拠になります。それは新しい職場に行っても同じ。ログをとることは、自分の身を守ることにも効果的です。ブラック企業にありがちなサービス残業、違法取引、セクハラ・パワハラに異議申し立てするときなど、あらゆる場合に有効です。ログは自分を守るのだから絶対にとれと言いたいですね」

後任者が質問できる時間を確保しておこう

後任者からの質問をいつでも受け付けられるよう、たっぷり時間をとって引き継ぎを行なってください。

せかせかと時間に追われる形での引き継ぎは、後々トラブルを引き起こしかねません。そうならないためにも、引き継ぎの時間、特に後任者のための「質問の時間」は確保しておきましょう。

【仕事編】退職の挨拶はタイミングを見計らおう

告知時期は、周囲と口裏を合わせておこう

社内にオープンにする時期と、仲間たちにオープンにする時期を決めておきましょう。自分の転職は、小さいようで実はとても大きなことです。それによる影響を考える必要があります。

常見さん「あなたの転職は立派な経営情報なんです。大手企業に勤める優秀な人が、あるベンチャー企業に移るということなどはそうですね。『今あそこはキャッシュがある』『新規ビジネスを始めるかもしれない』ということを推測されることも。普通に退職するだけでも、社内や取引先が驚く可能性もあります。情報開示のタイミング、方法などは工夫しましょう」

BCCで一斉メールはNG!

社内外でお世話になった人たちに転職の報告と挨拶をしましょう。

全員は無理かも知れませんが、可能なかぎり時間をかけて直接挨拶に出向くか、個別にメールを送りましょう。幅広く、丁寧に挨拶をしておくことは新たな仕事につながるチャンスにもなります。

挨拶こそ1つひとつ丁寧に行うことが大切です。そのため、BCCの一斉メールは極力避けた方がいいでしょう。

常見さん「僕が経験したように大手を退職して規模が小さなベンチャーへ転職したり、フリーランスとして独立する場合は、これまでの異動、転職などよりもご挨拶の連絡をより多く出すことを意識しましょう。取引先だけではなく昔の友達なども含めて送りましょう。今後のビジネスにつながる可能性があります」

イベントには笑顔で対応しよう

今後、前職の人たちとも仕事上の接点があるかもしれません。よっぽどのライバル社でもないかぎり、「○○ちゃん結婚したんだよ」といった声がかかったら、笑顔で遊びにいきましょう。

【仕事編】もしもトラブルがあったら・・・?

慰留されても不屈の魂でいよう

退職することを上司に伝えたら、慰留されることもあると思います。

しかし、従業員には辞める権利があります。こうと決めたのなら、不屈の魂で辞めましょう。一時的に周囲に迷惑をかけるかもしれませんが、自分の人生です。

悪い態度をされても、できるかぎり粛々と業務をこなそう

社会人とはいえ、全員が大人の対応をできるとは限りません。転職が決まって、干されたり、逆に仕事をたくさん振られたり、ということが起こることもありえます。

できるかぎり心を無にして、淡々と引き継ぎ業務をこなしましょう。

【プライベート編】今しかできないことをやろう!

転職までの準備期間中でしかできないこともあります。

ここでは、転職を控えている「今」だからこそできることなどをご紹介します。

住宅ローンを検討してみよう

もし大手で年収の良い企業からベンチャーやフリーランスへ転職する場合は、住宅ローンなどが組みづらくなる可能性があります。独立や起業ではない普通の転職でも、しばらくはローンを組むことに影響があるかもしれません。

転職や独立は金融機関の信用情報に影響することがあります。家や車などの大きな買い物やクレジットカードの作成など、現在の職場にいるうちに済ませておくのが得策です。

常見さん「私の場合、大手を退職する準備期間中に思い切って3LDKのマンションを買いました。当時独身だった私には分不相応の大きな買い物でしたが、月々の支払いが賃貸とほぼ変わらずに広いところに住めるうえ、資産になるというメリットがありました。その物件がベストだったのか、もっと頭金を入れたほうが良かったのではないかなど反省点はあります。でも、そのあと結婚しましたし、フリーランスになるなどローンを組みづらい状態になったので、いま思うと良い選択でした。金利が結構安い時期で、地価が上がる前の値段も安い時期だったのもよかったんですね」

学生時代以来の長めの休みを満喫しよう

月並みですが、ゆっくり休養する・車の免許をとる・長めの海外旅行にいくなど、長い休みを満喫しましょう。

週単位の長い休みは、このタイミングでもないと発生しにくいものです。好きなことをやりましょう。そもそも、転職準備などで疲れているはずなので、休む期間をとることも大事です。

常見さん「予定をはっきり決めないと、中途半端に週に3回ほど送別会(飲み会)が入ったりして、連続した休みをとれなくなってしまったりします。思い切って海外旅行へ行く、長期で実家へ帰る、または放浪の旅に出てみるなど、まったく悪くないことだと思いますよ」

【転職先編】新しい職場で気をつけるべきこと

夜の予定を空けておこう

転職したばかりのときは、夜の予定を空けておきましょう。

新しい職場での引き継ぎも当然あります。そのほか、歓迎会などの飲みの付き合いや仕事の調整などで遅くなったり、急な長期出張が入ったりする可能性も考慮しておきましょう。

初心にかえろう

新しい職場ではとにかく初心にかえって、期待されていることをやりましょう。これは、いくつになろうと同じです。

その会社のビジネススタイルや風土などをひたすら学ぶ姿勢が肝心です。前の会社でどんな実績があろうが、関係ありません。

常見さん「『この人、謙虚に頑張っているじゃないか!』と思われることが大事なんです。ベタですけれど。まず、言われたことをちゃんとやりましょう。それが大事です」

自己分析を改めてやってみよう

自分の中で得意なことと、苦手なことをちゃんと把握しておくことが重要です。自己分析をしてみると、自分ではなんでもないように思っていることでも「こんな武器があった!」という気付きが生まれます。

これを転職のタイミングでやっておくと「この仕事もまかされちゃった」「思っていたのと違う」という状態の時に、「自分にはこの人脈がある」「この経験がある」ということを意識し、焦らずに対応できるものです。

常見さん「自分が何が得意で何が不得意なのか、その業務に関係しそうな業務をどれだけやっていたかというのは、確認しておいた方がいいですね。何か新しいことに取り組むときにでも、焦らずに対応できるようになります」

小さな成功体験と仲間づくり

なるべく早く、小さくてもいいので成功体験ができるようにしましょう。そうすると、周囲も「やっぱりこの人、できる」という目でみてくれるようになります。

少なくとも最初の3ヶ月は一生懸命やってなんらかの成果を出しましょう。それに加えて、社内や取引先で仲間が出来てくれば、鬼に金棒です。

常見さん「私は最初の転職で人事担当者になりましたが『この人プレゼンが上手いな』と思われたことをきっかけに、面白いと思ってくれる人、評価してくれる人が現れて、他部署の仲間、一目置いてくれる先輩が現れました。試用期間とはわりと残酷で、会社側も転職者側も、互いにリスクを持っています。小さな積み重ねを行い、周囲に味方を増やしましょう」

転職はキレイ事じゃない

「僕自身がやってきたからこそ言えますが、転職は決して美しいものではありません」と常見さん。

慣れ親しんだ輪の中にいきなり面識のない新参者が登場する・・・という転職は、よく考えると実はそれなりに大変な状況からスタートします。

転職者が多い会社なら「また仲間が来た」という見方をしてもらえます。しかし、生え抜きの社員が多い会社だと適応するのは簡単ではありません。

転職が決まっていない人は、そもそも「なんで転職するのか?転職しないという手もありえるだろうか?」ということを改めて自分に問いかけましょう。現状の社内で配置換えや、ミッション変更で対応できないのか、ということも検討してください。

常見さん「さまざまなところで転職が華々しいサクセスストーリーのように語られていますが、僕は転職を美しいと思いません。転職はたとえるならば、縁もゆかりもない地方に転向して、しかも学部・学科が変わるくらいの状態になることもあります。社内だったらわかることも、転職先の状況は完全に見えない。そこをどうとらえるか。転職はすごく深いんですよ」

お話ししてくれたのはこの方!

常見陽平(つねみようへい)さん

評論家・コラムニスト。リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社を経てフリーに。現在、雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演に没頭中。2015年4月 千葉商科大学に新設される国際教養学部の専任講師に就任予定。『「就活」と日本社会』(NHK出版)『リクルートという幻想』(中央公論新社)など著書多数。

(イラスト:モップ・シュポンタン
(ライター:中野満美子)

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本記事は、2015年02月26日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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