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もしもに備えて知っておきたい、弁護士が教える離婚のやり方

2014年08月06日作成

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夫婦は様々な事情を抱えつつ、ときには離婚にいたることもあります。では離婚したいと思ったとき、一体何から始めればよいのでしょうか?

「離婚の流れ」について弁護士・山崎新先生に教えてもらいました。

目次

離婚の種類と基本的な流れ

離婚にはおおきくわけて次の3種類があります。

  • 協議離婚
  • 調停離婚
  • 裁判離婚

通常は、下図の流れですすんでいきます。

夫婦がお互いの話し合いで離婚が成立することを「協議離婚」といいます。しかし、どちらかが離婚に同意しない場合や、離婚条件で争いになった場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。

調停を経て離婚の合意が成立することを「調停離婚」といいます。調停でも合意に至らない場合は裁判を起こすことになります。裁判で離婚の判決を受けることを「裁判離婚」といいます。

では、さっそくこれらの離婚についてみていきましょう。

協議離婚とは

日本人の離婚する夫婦の約8割が「協議離婚」だと言われています。協議離婚では、役所にある離婚届に夫婦双方の署名・押印をして、届け出ることで離婚できます。

離婚届は何時でも市役所に提出できます。市役所が業務時間外の場合、手続きは翌営業日となりますが、届け出を出した日にちで受理されます。

ちなみに、離婚届には2名の証人欄があります。「成人しており、夫婦の離婚を知っている人」なら誰のサインでもOK。一般的には両親か友人に頼むことが多いようです。

相手と決めた離婚条件がちゃんと守られるか不安だったら

約束した離婚条件を相手が守ってくれるかどうか不安なときは、公正証書を作成しましょう。

公正証書とは、公証人が離婚する2人の約束を確認して作成するものです。万一、約束した内容どおりにお金が支払われない場合は、公正証書により強制執行(給与の差押えなど)をおこなえます。

公正証書作成には2人で公証役場に出向く必要があり、手数料が別途かかります。その額は証書の内容によって変わります。

手数料の詳細は「公正証書を作成するための手数料(日本公証人連合会)」で確認して下さい。

調停離婚とは

夫婦の話し合いで離婚の合意ができない場合、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。

調停の目的はあくまで夫婦間で納得して離婚に合意できる条件をみつけることです。裁判ではないので、相手方と対決姿勢になる必要はなく、証拠もあまり必要にはなりません。

1:家庭裁判所で調停申し立てをする

「夫婦関係調整(離婚)」の申立書を作成して、戸籍謄本とともに家庭裁判所に提出します。申立書は家庭裁判所でもらえるほか、インターネットからも無料でダウンロードできます。

詳細は「裁判所 夫婦関係調整調停(離婚)申立書」をご覧ください。

2:1回目の調停に出頭する

申し立てから1ヶ月ほどで1回目の調停期日が設定され、相手方にも通知が郵送されます。夫婦両名が、指定された日に家庭裁判所へ行きます。

裁判所に到着すると、まず配偶者とは別々の待合室で調停委員から呼ばれるまで待機します。「調停室」では男女ペアの調停委員に対して、30分ほど話をします。このとき、配偶者は同席しません。調停委員はまず調停を申し立てた側の話を聞き、その後もう一方と交代して話を聞きます。

調停委員は、相手方と話した内容を伝えてくれるだけでなく、あなたと話した内容も相手に伝えてくれます。そのやり取りの中で、双方にとって納得のいく条件を探っていきます。

調停は1日につき、交代しながらそれぞれ2回ほど話をします。最後に次回の調停期日を決めて終了です。次の調停期日はだいたい1か月~1か月半ほど先になります。

1回の調停は、約2時間ほどです。

3:合意が得られるまで調停をおこなう

夫婦の一方がどうしても離婚に同意できない場合、通常は2~3回程度の調停期日を重ねて「調停不成立」とされます。その後は離婚を望んでいる側が裁判を起こすなどの流れがあります。

調停不成立には離婚に同意できないといった理由のほか、基本的に離婚には合意だけれど金銭や親権などの条件面で折り合いがつかないなどがあります。その場合、両者が納得できるまで調停を重ねて話し合いを続けることになります。だいたい5~6回程度で調停が成立することがほとんどですが、長い場合は1年以上続ける場合もあります。

4:調停調書を作る

合意が得られたら、双方が同席して、裁判官から確認を受けながら「調停調書」を作成します。調停調書は裁判の判決と同様に法的な効力を持ちます。

5:調停調書謄本とともに離婚届を提出する

調停が成立した日から10日以内に調停調書を役所に提出すると、戸籍に記載されます。

裁判離婚とは

調停でも離婚の合意が得られなかったときは、裁判を起こすことになります。

裁判では弁護士に相談する人がほとんどです。弁護士が「代理人」として書面を作成し、裁判所に提出します。代理人どうしで書面のやりとりしながら裁判がすすんでいきます。調停とは違い、特に当事者である本人が出席することはあまりありません。

離婚の裁判では「離婚事由」を立証し、裁判所から離婚するという判決をもらうことを目的にします。離婚事由は民法770条で次の5つが定められています。

  • 配偶者に不貞な行為があったとき(浮気など)
  • 配偶者から悪意の遺棄をされたとき(理由なく別居して生活の面倒をみない場合など)
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき(失踪など)
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき(精神病によりコミュニケーションがとれないなど)
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
これらの事由があっても、様々な事情により離婚が認められないこともあります。詳細は、「裁判所 離婚」を御覧ください。

離婚の条件として、話し合われる内容

お金のこと

  • 財産分与

離婚にあたって、婚姻中の財産を清算するのが財産分与です。おもに財産をより多く持つ方が少ない方に「分与」することになります。預金等のお金なら簡単に分けられますが、不動産など分けられない財産がある場合、その名義をどうするかが話し合いの争点になります。特に住宅ローンが残っている場合にはどうするかなどが問題になるパターンは多いと言われています。

財産分与の一つとして、年金分割があります。将来、年金を受け取るときの計算のもとになる標準報酬を分割しておくことで、厚生年金や共済年金(いわゆる「2階部分」)に加入している場合には分割できます。しかし、自営業の場合、国民基礎年金は分割されません。

年金分割の詳細は「日本年金機構 離婚時の年金分割」をご覧ください。

子どものこと

離婚する際には未成年の子どもの親権を必ず決めなければなりません。そのため、離婚後にどちらが親権者になるかは、協議離婚でも調停離婚でも裁判離婚でも必ず話し合うべきことです。

また、親権者でなくなっても、離婚後も子どもの「親」であることには変わりません。平成23年に民法766条が改正され、「面会交流」と「養育費」は決めておくべきとされています。

  • 面会交流・・・親権者でない方の親が、子どもと会ったり、連絡を取りあったりすること
  • 養育費・・・親権者でない方の親が、子どもの養育にかかる費用を毎月支払うこと
養育費は家庭裁判所では夫婦双方の収入をもとに「算定表」の範囲で決まることがほとんどです。
金額は「裁判所 養育費算定表」で確認してください。

今回お話を伺ったのはこの人!

山崎 新さん

クラマエ法律事務所所属。弁護士。大学では心理学を学び、数年間の会社勤めののち、30代で弁護士へと転身した。主に離婚・DVやセクハラ、労動分野が専門。「悩んでいる方は気軽に専門家にご相談ください。うちの事務所でも法テラスの無料法律相談を利用できます。ご夫婦だけでは感情的になり話し合いがうまくいかない場合は、弁護士や家庭裁判所といった第三者が入ることで、前向きな話し合いができるようになります。特に調停という制度は話し合いがまとまりやすい優れた制度だと思います」と山崎さん。

(イラスト:nanapi編集部)
(ライター:高根ちさと)

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本記事は、2014年08月06日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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