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意匠にもプライバシーにもこだわりたい!建築家が教える「窓」づくりのポイント

2014年07月17日作成

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あなたのお家の「窓」、お隣や外部からの視線が気になることはありませんか?

近隣の視線の問題は、いわばマナー。基本的にお互い様の問題であり、「どうしたらお隣同士がお互いに気持ちよく生活できるか」という、双方に共通の問題でもあるのです。

とはいえ、窓は壁の中でも大きな割合を占めるもの。意匠にもこだわりたいですよね。そこでここでは、近隣の視線が気になる「窓」について、問題点と解決策を整理してみましょう。

目次

隣り合う家の「視線の許容範囲」とは?

視線が気になる理由の1つは、窓が隣の家と近いから。少し専門的な話になりますが、「隣り合う住宅がお互いのプライバシーの侵害にならない視線の距離」は、法律でどのように定められているのでしょうか。

民法235条では、以下のように規定されています。

境界線から1m未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。次項において同じ)を設ける者は、目隠しを付けなければならない。

他人の住宅を見通せる距離は、1m以上となっているようです。

そして、「隣り合う者のどちらかが、この規定に触れていれば、その人が目隠しを付けなければならない」ということですね。

隣の視線を遮断する窓の配置

外部からの視線はカットしつつ、採光や換気が可能な窓に、ハイサイド窓(天井付近の窓で、直接は隣の様子が望めないもの)と地窓(床からの低い窓)があります。

画像:ハイサイド窓(上)と地窓(下)の例

明るく開放的な部屋になるハイサイド窓

ハイサイド窓は、机などの家具等の配置を制約しません。空がいつも見え、部屋の奥まで光が届きやすくなります。

夏場にはハイサイド窓を開くことで、部屋の上部に集まる熱気が自然に排出されます。

落ち着いた雰囲気の部屋になる地窓

地窓は、1階であれば地窓付近の地面に光が反射しやすい材料を使用することで、間接光で室内をほんのり明るく、落ち着いた雰囲気することができます。

また、地窓付近に植栽することで日射による地表の温度上昇を抑え、涼しく保つことができれば、地窓を開けて涼気を取り込むことができます。

2つの窓の組み合わせで、空気の流れを生み出す

この2つの窓を共に開くことで、天井付近の熱気は外部に排出され、かわりにその分足元から涼気が流入し、室内に空気の流れが生まれます。外部からの視線を遮断するだけでなく、採光・換気も良好に保つことができるのです。

ハイサイド窓で光を取り込んだ国分寺の家

ハイサイド窓は、住宅が隣接した天井の高い住宅でも、明るい光を室内に取り込むことができます。また、デザインとしてもモダンで近代的な印象になります。

国分寺の家

一般住宅「国分寺の家」の、2階リビングを撮影したものです。正面上段に、天井の傾斜に合わせて壁いっぱいに取ったハイサイド窓から、明るい光が差し込む設計です。

右端の縦3枚のガラスをつかった窓は換気用のオーニング窓で、右端のオペレーターチェーンで開閉することができます。ハイサイド窓の下、中段の出窓には、隣接する住宅に配慮して目隠しが取り付けられています。

プライバシーの問題もあり、中段の窓だけでは採光が不十分だった可能性がありますが、ハイサイド窓の効果で部屋全体が明るく、モダンに見えているのではないでしょうか。

地窓を効果的に使った名建築・京都「孤篷庵・忘筌」

地窓は1階であれば、窓の外のしつらえを工夫できます。綺麗な石や砂利を敷いたり、草花の鉢を並べたりと、自分好みの窓辺の景色を演出することが可能です。

茶室「忘筌」

地窓的な窓辺のしつらえを、室内から見た時の景色として効果的に用いた例に、「忘筌(ぼうせん)」(京都/大徳寺孤篷庵内)という有名な書院茶室があります。

床前から部屋の入り口側に広がる庭を見通すことができ、心地よい風や光を地面に反射させ、室内に取り込む工夫が見られる、大変見事な茶室です。

この例からも、地窓はその空間に静かで落ち着いた印象を与える効果があると言えるでしょう。

「忘筌」は江戸時代の茶人であり著名な作庭家、小堀遠州の名作と言われています。京都・大徳寺内に現存しますが、通常は非公開となっており、特別公開時にしか拝観できません。
参考:大徳寺孤篷庵・特別公開

窓の配置でお互い快適に

地窓やハイサイド窓は、通常の状態で隣の宅地を見通すことができない場合は、先の民法の規定には抵触しないと言えます。

逆に、たとえ1m以上離れていても屋内が見通せるような窓は、民法上のプライバシー尊重の主旨から、あまり好ましいとは言えないでしょう。

そのような際には、地窓やハイサイド窓を検討してみることで、お互いに快適な住宅の形が見つかるかもしれません。

こちらの記事は、専門家プロファイルより建築家・上村美智夫さんにご提供いただきました。
記事提供元:専門家を探せる、相談できる。専門家プロファイル

(image by amanaimages)

この記事で使われている画像一覧

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本記事は、2014年07月17日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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