生活の知恵があつまる情報サイト

nanapi

Icon life生活・ライフスタイル

  1.  
  2.  
  3.  
  4.  
  5.  
  6.  
  7. お盆のお供え料理って何を作るの?知っておきたい精進料理の基本

お盆のお供え料理って何を作るの?知っておきたい精進料理の基本

日本は夏を迎え、お盆になると家族が集まり、精進料理を食べて同じご飯を仏壇にお供えします。なぜお盆になると精進料理を作るのでしょうか。精進料理がどういう料理なのかよくわからない人も多いかと思いますが、難しいことはありません。そこで今回は、精進料理の誕生した理由や考え方、レシピをご紹介します。初めてお盆を迎える初盆の方は慣れない準備で大忙しでしょう。ぜひレシピを参考にしながら精進料理を作ってください。

2014年06月11日作成

 views

お気に入り

夏のお盆では精進料理を食べ、同じご飯を仏壇にお供えします。

なぜお盆料理は精進料理を作るのか、また、精進料理が何かわからない人も多いかと思いますが、全く難しいことはありません。この記事で精進料理について学び、レシピを見ながら実際に精進料理に挑戦してみましょう。

目次

精進料理とは?

精進料理とは肉や魚、豚、鳥などの肉類を使わない、豆類や野菜を使った料理のことです。仏教で殺生を禁じられていたために編み出され、修行僧の食べ物として作られていました。

精進料理はどこで生まれたの?

精進料理は、祭祀中や、1日・15日に肉を断つ習慣があった中国で生まれ、仏教と結びついて発展しました。特に中国、日本、朝鮮では「大乗仏教」の信仰で肉食を禁止していたことから、菜食料理が発展しました。

日本で本格的に精進料理が発展したのは鎌倉時代だと言われています。禅宗が伝わったことを背景に、それまでは魚や鳥を使った薄い味付けの料理が、菜食になり濃い味付けの料理になっていったようです。

精進料理を支えている「五味・五色・五法」

「五味・五色・五法」という考えに従い、精進料理は成り立っています。

  • 五味…味覚の「甘・酢・鹹(かん)・辛・苦」のことです。甘味、酸味。塩辛さ、唐辛子の辛さ、苦味を指します。
  • 五色…見た目の「赤・青・黄・黒・白」色のことです。
  • 五法…調理法の「煮る、焼く、蒸す、揚げる、生食」のことです。

精進料理は、味と見た目の美しさの調和が大切です。食材の持ち味を生かす料理法で、全体の調和した料理をするこの姿勢は、日本料理の原点でもあります。

手間暇かけたからバリエーションが豊富

精進料理の特徴として、食材を生のまま使わず、あく抜きや水煮をして、手間をかけていることがあげられます。

また制約がたくさんある中で調理をするため、長期保存ができ、飽きの来ない食べ物として、一次加工・二次加工がされてきたことが特徴です。大豆を例に挙げると、豆腐、味噌、醤油、油揚げ、納豆(ここでの納豆は黒色で、塩味とほんのりしたみそ味の唐納豆)、豆鼓(とうち。黒豆に塩を加えて発酵させ、水分を減らしたもの)などが生まれました。

精進料理によく使われる食材は?

野菜、山菜、海藻、穀類などを使います。味付けや、出汁も動物性のものは使わずに、昆布や椎茸を使います。また、脂も植物性のものを使います。基本の考えとして「一汁一菜」があり、質素なものが多いです。

食事をとることに儀式的な意味を含めた「本膳料理」では、季節の野菜、蕨、椎茸、筍、豆、カボチャ、蓮根、そば、コンニャクなどをよく使います。

肉や魚類を使わないためカロリーが控えめだと思われがちですが、意外と油を使う機会は多いようです。野菜の天ぷらのことは「精進揚げ」といいます。

野菜でもタブーなものがある

実は野菜でも食べてはいけないものがあります。大乗仏教の教えで「五辛五葷」を食べないと決められています。五辛は辛味のある野菜、五葷は臭味のある野菜を指します。これらの食材は情欲・憤怒を増やすと考えられ禁止されているようです。

具体的にはニンニク、玉ねぎ、ニラ、ラッキョウ、ノビルなどがあります。

お盆で食べる精進料理

先祖の霊と同じ食事をする

先祖の霊を迎え、供養をする期間であるお盆。7月13日、または8月13日から4日間行われる行事です。13日の夕方に先祖の霊を自宅に迎え、16日の朝に送り火を焚いたり、精霊流しをしてお見送りをします。

先祖の霊が自宅に泊まるとされる14日、15日は家族と同じ食事をお供えします。

お盆になぜ精進料理を食べるかという理由ははっきりとはしません。お盆は家族も仏に仕えるため、故人の霊は成仏し極楽浄土へ転生するため修行をしているから精進料理を食べるなど、いくつか謂れがあるようです。

精進料理を食べるのが習わしではありますが、先祖が好きだった食べものをお供えしても大丈夫です。

「お膳立てする」のお膳

お盆で仏様や菩薩様に供えるご飯を「精進供(しょうじんく)」といい、生野菜や乾物をお供えします。ご先祖様にお供えるご飯は「ご霊供(ごりょうぐ)」「霊供膳」「ご霊膳」といい、調理、味付けしたものをお供えします。

2種類とも「お膳」と称されますが、そのお膳で使うお椀の種類と中身は以下のようになっています。お椀の種類が理解できれば、どのような料理の組み合わせが可能なのかが見えてくると思います。

  • 飯碗:ご飯…幅があり深めのお椀です。ご飯は大盛りにして、上を丸く整えます。
  • 汁椀:お吸い物・お味噌汁…丸みがあり、深めの形状です。具は豆腐、わかめ、油揚げなどを入れます。
  • 高皿(猪口):漬物…白菜やキュウリの漬物、梅干しをのせます。小さくで浅い器です。
  • 平椀(平皿):煮物…丸い灰皿のような形をしています。煮物は椎茸、蓮根、こんにゃく、ニンジン、きぬさや、高野豆腐などから3種類を使います。
  • 壺椀:煮物・和えもの(胡麻和え)・お浸し・酢の物など…湯のみのように少し高さがある器です。たくさん、高く盛り付け、小さな山になるようにします。
配膳方法についてはこちらをご覧ください。

お膳に盛られている料理を眺めると、動物性のものを使っていないだけで、特別な料理が揃っている訳ではないことがわかります。これなら普段食べている料理で代用ができそうですね!以下ではレシピを紹介していきます。

精進料理の主食レシピ

炭水化物やエネルギー源となるご飯物や麺類のレシピです。五色の白に当たります。

赤飯

祝い事にも仏事にも登場する赤飯。お盆に作るか作らないかは地域によって差があるようです。赤色が邪気を払うと言われ、縁起直しの意味が込められています。

五目豆の炊き込みご飯

煮物として作った五目豆の煮汁を再利用して炊き上げる炊き込みご飯です。精進料理の献立に迷ったら、とりあえずこれを作りましょう。

塩麹炊き込みご飯

塩麹を使った炊き込みご飯です。塩麹が具材のうまみを引き出してくれます。素材の味を大切にする精進料理にはぴったりの一品です。

冷や汁

これぞ現代風の精進料理。味噌を出汁で伸ばしたものをご飯にぶっかけて頂く一品です。きゅうりだけでなく豆腐を加えてもいいでしょう。柔らかいのでお年寄りの方にも安心です。

具だくさん稲荷ずし

しいたけ、ニンジン、ごぼう、高野豆腐をご飯に混ぜた、栄養豊富な稲荷ずしです。野菜を煮る一手間を惜しまないことで、精進料理らしさが増しますね。

野菜たっぷりのつけそうめん

細かく刻んだ野菜と麺汁につけて食べる、つけ麺ならぬ、新感覚のつけそうめん。レシピでは焼き豚を使っていますが、抜いて作れば精進料理に早変わりです。

精進料理の汁物レシピ

お膳には欠かせない味噌汁やお吸い物のレシピです。

けんちん汁

元は「建長寺」で、法要のお客のご飯を間に合わせるために作ったことに由来するけんちん汁。きのこや根菜類もたっぷり入れて作ってみたいですね。出汁は昆布でとるため、野菜を炒める時にごま油を使うとコクが出るようです。

このレシピでは玉ねぎ、ネギを使っていますが、この食材は「五葷」に当たるため避けるようにしましょう。

舞茸のお吸い物

秋が旬の舞茸は香りがよく、和食と相性がよいので、お膳の汁物としておすすめです。お麩も精進料理ではよく食べられる食材です。

トマトの冷や汁

シャリシャリと冷たいトマトが夏場に嬉しい一品。煮干しは使えないので、昆布や椎茸からとった出汁で味噌を合わせましょう。

精進料理の副菜レシピ

野菜、きのこ、海藻類を使った漬物や、煮物、和えもの、酢の物などのレシピです。ビタミンや食物繊維を多く含みます。五色でいうと、根菜類は黄、葉菜類は緑、海藻、きのこ類は黒に当たります。

五目豆

彩りがきれいで栄養豊富な五目豆。昆布の出汁をベースに使い、上品な味付けに。

ほうれん草のごま和え

小鉢の定番であるほうれん草のごま和えです。鮮やかな緑がお膳に色どりを添えてくれます。

ズッキーニとわかめの酢の物

夏が旬のズッキーニを和食にアレンジ。いつもの食卓で並んでいる酢の物は簡単に作れて重宝しますね。シンプルな味なので、精進料理を食べている間の箸休めになります。

きのこの酢の物

ちょっと変わったきのこの酢の物。舞茸、椎茸、油揚げと精進料理で使う食材尽くし!きのこは焼いて香ばしさをアップさせましょう。

かぼちゃの煮物

冬至で食べられるかぼちゃの煮付けはお盆でもよく食べられます。何種類か他の野菜と一緒に煮込んでもいいですね。出汁は昆布からとった白出汁を使いましょう。お出汁が染みた、じんわり優しい味は落ち着きますね。

大根と刻み昆布のきんぴら

季節に左右されず年中収穫できる大根は、精進料理の超メジャー食材。ピリっとした辛味とごまの香りが、食欲を増進させてくれます。

味噌味の蓮根きんぴら

定番のきんぴらの味付けに飽きたときにおすすめの、味噌を使ったきんぴら。甘辛い味噌の濃い味が、あっさりとした味付けの多い精進料理のアクセントになります。

茄子の素揚げ

素材そのものの味を大切にする精進料理にふさわしい一品。なめ茸の大根おろしをかけるので、暑いお盆の時期でもさっぱりと頂けます。

ゴーヤの天ぷら

夏にぴったりなゴーヤの精進揚げです。麺もののお膳と組み合わせると良さそうです。味付けとしてマヨネーズはたまごが入っているので使えませんが、塩や麺汁などで頂きましょう。

精進料理の主菜レシピ

タンパク質をたくさん含む大豆や麩などを使ったレシピです。肉食が禁じられている精進料理では貴重な栄養源。五色の赤に当たります。

お麩の炊合せ

素材本来の味に合わせて薄口で別々に煮て、1つの器に盛る「炊合せ」。手間ひまかけたこの料理は、ぐっと本格的な味に近づけてくれます。

がんもどきのおろし乗せ

飛竜頭(ひりょうず・ひろうす)との別名を持つがんもどきは、肉の代用品として作られました。ぽってりと厚みがあって、お腹を満たしてくれそうですね。

残り物の野菜でできる手作りがんもどきの作り方はこちら

蓮根とエビの湯葉揚げ

さくさくの衣として湯葉を使った揚げ物。湯葉は「山の坊さん 何食うて暮らす 湯葉のつけ焼き 定心房(山のお坊さんは何を食べて暮らしているのか 湯葉の蒲焼き お漬物)」として唄われたほどで、肉や魚の代わりに食べられていたようです。

中身はエビではなく、野菜などに替えれば立派な精進料理になります。

高野豆腐の蒲焼き

食感が肉に似ており、ダイエットのおかずによく使われる高野豆腐を、甘しょっぱいタレで蒲焼き風に。食材が限られている分、ガツンと食べごたえのあるおかずは嬉しいですね。

精進料理のお菓子レシピ

お膳の話では触れませんでしたが、精進料理の中で生まれたお菓子もあります。食後の一品として、お供え物としても使える、精進料理のお菓子レシピです。

黒豆とフルーツの寒天寄せ

「冬の空」と「寒晒心太(かんざらしところてん)」の意味を掛けあわせた寒天は、精進料理の食材として活用されました。透けて見えるカラフルな果物が涼を感じさせます。

豆腐入り白玉団子

昔から仏事に食べられててきた白玉団子。精進料理でよく使う食材、豆腐を加えてアレンジしています。お盆の13日はあんこ付きの団子、16日は白い団子をお供えします。

白玉入り水羊羹

見た目が涼しげですね。羊肉の代わりに小豆を使って作ったものが羊羹のはじまりだと言われています。元はお節料理として食べられていましたが、夏でもつるんと頂きたいですね。

他に精進料理と関わりのあるお菓子に「生麩」があります。生麩は小麦粉から出るグルテンを蒸したものです。笹で包まれた「生麩饅頭」が有名です。

いつものご飯に工夫して、精進料理をご家庭で!

精進料理と一口に言っても、仏教の思想を汲み入れた奥深い世界がありましたね。決まり事がたくさんある中で、食材を活かしながら発展をとげた料理は、私たちが普段から口にする料理とも共通するところがあります。

油を植物性に変える、野菜や豆を使うことを意識すれば、料理のアレンジは更に広がります。今年のお盆は、あまり身構えずに精進料理でお膳を用意してみてはいががでしょうか。

(image by amanaimages)

この記事で使われている画像一覧

  • 20140606155719 5391664f0cb89

本記事は、2014年06月11日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

編集部ピックアップ

期間限定のPRコンテンツをチェック!

もっと見る