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タコを食べる日?夏の暦日「半夏生」の基礎知識

2014年05月26日作成

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皆さんは半夏生(はんげしょう)をご存知ですか?

半夏生は初夏の雑節で、これにまつわる言い伝えや独特の食文化があったりする、とても興味深いものです。最近では以前より夏至や冬至などの節目を大切にする人が増え、半夏生もじわじわと知名度が上がってきています。

そこでここでは、名前の由来から地域ごとの食文化まで、半夏生について詳しくみてみましょう。

雑節とは夏至や冬至などの暦日の他に、季節の移り変わりをより適確につかむために設けられた特別な暦日のことを言います。

目次

半夏生の起源は植物

「半夏」という植物が名前の由来

半夏生は古代中国で考案された季節を表す方式「七十二候(しちじゅうにこう)」にある雑節の名前です。半夏(はんげ)という薬草が生える時期にあたることから、この名前になったと言われています。

半夏は中国が主産地の毒草で、別名「烏柄杓(からすびしゃく)」と言います。現在でも生薬として用いられています。

さらに半化粧(はんげしょう)という植物があるのですが、こちらは半夏生の時期に盛りを迎えるから、あるいは葉の半分がおしろいを塗ったように白くなるから、というのが名前の由来です。

どの時期のことをいうの?

かつては夏至から数えて11日目が半夏生の始まりとされていましたが、現在では毎年7月2日頃の、天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日と決められています。そこから7月7日までの5日間をまとめて半夏生と言います。

さらにこの頃に降る雨を「半夏雨(はんげあめ)」または「半夏水(はんげみず)」と呼び、この日は大雨になると言われています。

古くは農作業の節目だった

農家にとって半夏生は大事な節目の時期で、この時期には農作業を休んだり、野菜を収穫しないようにしていました。また天から毒気が降るとも言われ、井戸に蓋をして毒気を防ぐ人もいました。

さらに三重県の熊野地方や志摩地方の沿岸部などではハンゲという妖怪が徘徊するとされ、この時期に農作業を行わないようにとの言い伝えがあるそうです。

半夏が毒草だったことから、こういったネガティブなイメージが生まれたのかもしれませんね。ちなみに現在では半夏生だからと農作業を休む農家はほとんどないようです。

特に西日本に残る「半夏生」の食

日本各地には半夏生にまつわる食文化が現在も残っています。そのほとんどの地域が西日本に集中していることから、中国とのやり取りが盛んだった奈良・京都から半夏生が広がっていったという推測ができます。

奈良や大阪の半夏生餅

奈良県の香芝市や大阪府の南河内地方では、半夏生を「はげっしょ」と言い、農家では半夏生餅という小麦のお餅を作り食べていました。

この時期には麦の収穫が終わり田植えが一段落するので、農家では「半夏生餅」をつき、田の神様に供えて豊作を祈り田植えの無事に感謝しながら食べるのが一般的な習わしでした。奈良県民俗博物館の資料によると、奈良盆地には室町時代からこの習慣があったそうです。

半夏生餅は玄米で作っていたという説もありますが、日本での麦の収穫時期が6月ということもあり、麦で作っていたという説が有力です。また、奈良県の中でも地域ごとに材料が違っていた可能性もあります。

京都の内陸地域のタコ

京都の福知山市ではタコを食べる習慣があり、現在では近畿地方各地の小売店が盛んに半夏生とタコを結びつけて販売促進活動を展開しているそうです。

タコには滋養強壮効果があり、これからの暑さに備えようということで食べるようになったそうです。

また、半夏生は田植えが一段落する時期なので、

  • 稲の根がタコの足のように四方八方にしっかりと根付きますように。
  • 稲穂がタコの足(吸盤)のように立派に実りますように。

という願いを込めて食べていたという説もあります。

以前は7月2日は日本記念日協会が定めたタコの日でしたが、残念ながら数年前に登録を抹消されてしまいました。

讃岐のうどん

香川県のさぬき地方には昔から半夏生にうどんを食べる習慣があり、1980年に香川県製麺事業協同組合が7月2日を「うどんの日」に制定しています。

こちらも麦の収穫時期が関係しているようで、6月に大量に麦を収穫してうどんを作り、収穫を手伝ってくれた人に振る舞っていたものが行事として定着し、「半夏生にはうどん」となったようです。

福井県のサバ

福井県の大野市は昔からサバの水揚げが多く年貢として納められるほどでした。そこで当時の藩主は田植えで疲れた農民の栄養補給のために、「みんな田植えで疲れているだろうから、サバを食べて精をつけなさい」という令書を発します。

そしてその令書を見た魚屋が半夏生の日に丸焼きにしたサバを売り出し、皆がおいしくを食べ、これが習慣として残ったそうです。

田植え前は酒や魚肉を断つという習慣があったそうなので、久しぶりのサバはさぞかし美味しかったでしょうね。

「食」で楽しむ半夏生

上述の地域以外に住んでいる人も、半夏生餅・うどん・タコ・サバの中の好きな物を食べて半夏生を味わってみては?

半夏生餅の作り方はこちらのサイトから見られますので、ぜひ参考にして作ってみてくださいね。もし手間を掛けられないという人は、市販の切り餅をレンジでチンして、蒸した小麦と混ぜてもよいでしょう。

半夏生を意識してみよう

半夏生は西日本を中心に幅広い地域に浸透しているのですが、あまりメジャーではないのが不思議ですね。ぜひこの機会に半夏生への理解を深めて、夏の始まりのひと時を楽しんでみてはいかがですか?

(image by amanaimages)

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本記事は、2014年05月26日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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