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大寒波には…チーズにじゃがいも!?道路の凍結防止に役立つ意外な食べもの

2016年05月12日更新

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(image by amanaimages)

今年も寒波によって孤立してしまう村や町、電車の運転停止や雪による転倒などなど、各地で甚大な被害が見受けられました。また融雪剤の高騰・不足が起こり、事態の解決が数日間見込めなかったような地域も数多くありました。

同じく寒波による被害を受けたアメリカで、融雪剤や凍結防止剤の代用品とすべく様々なものがテストされているのをご存知ですか?

そもそも融雪剤って?

塩分による氷点降下

(image by amanaimages)

寒い地方で使われている「融雪剤」。雪の少ない地域の人には聞き慣れないこの「融雪剤」について、まずご紹介いたします。

融雪剤とは、雪や氷などを溶かし、生活に支障をきたさない状態にする薬品のことを指します。雪深い地域の自治体には欠かせないもののひとつです。

そんな融雪剤の主成分は「塩」!

塩は、水に溶けると、その塩分濃度によって水の氷点(凍る温度)を低くする性質を持っているんです。こうした塩水の性質は「氷点降下」と呼ばれています。

翻って、寒い地域で使われる凍結防止剤・融氷雪剤の主成分は「塩化カルシウム」。上述した「氷点降下」という性質を上手く利用して、雪による路面凍結やそれによる事故の防止に役立てているんですね。

「水は塩が混ざると普通の水よりも凍りにくくなる」と考えるとわかりやすいと思います。

融雪剤の持つ問題

(image by amanaimages)

ここで、「もう既に便利な融雪剤・融氷剤があるのに、なんでわざわざ代用品を探すの?」という疑問を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

こうした融氷剤・融雪剤ですが、実はこれらの薬品は環境を破壊・汚染したり、建物や道路・自動車を錆びさせてしまうという塩害があるのです。

また、融雪剤や融氷剤は世界中で不足、価格高騰が起こっており、寒い地方の自治体の予算は常に逼迫しています。大寒波に襲われたカナダやアメリカはもちろん、その余波で大雪となった日本国内でもこのような薬品が手に入りにくくなっているんですね。

だからこそ、特に大きい被害を受けたアメリカでは、いつまた同じような寒波に襲われても迅速な対応ができるように、新しい融雪剤を探しているというわけです。

融雪フードその1:ビーツジュース

ビーツジュースで氷を溶かす!

(image by amanaimages)

赤かぶ・テーブルビートやテンサイから作られるビーツジュースは、北米のハイウェイなどで融氷雪剤として日常的に使われていることをご存知ですか?

ペンシルバニア州の広報役員はビーツジュースを融雪剤・凍結防止剤として特に重宝しているそう。また雪深いカナダのトロント市では、凍結防止剤を撒いた上からビーツジュースを散布し、道路の凍結温度を下げているんだとか。

ビーツジュースを使う理由

ですが、なぜいまビーツジュースが注目されているのか、わかりますか?

というのも、塩分と結合したビーツジュースは、普通の塩水よりも氷点が低く凍りにくくなるんです。

つまりビーツジュースは寒い地域において、従来の氷結防止剤よりも少ない塩分で高い氷結防止効果が期待できるというわけです。それに伴って凍結防止剤の使用を減らすことで塩害が減り、経済的にも余裕が生まれるといった利点があるんですね。

ちなみに、ビーツジュースだけでなくビール醸造の廃液や糖蜜・廃糖蜜にも同様の効果が期待できるそうです。

ビーツジュースはマイナス32℃までなら凍らずに対応できるとのこと。さ、寒すぎ。

融雪フードその2:チーズブライン

(image by amanaimages)

チーズの名産地として有名なウィスコンシン州。ここでは、チーズの熟成の際に使われる塩水「ブライン」を、融雪剤として使用する試みが盛んだそうです。

このブラインもビーツジュース同様、通常の塩水を使うよりも高い融雪効果が期待できるんだとか。

そもそもこのブラインは、チーズを作る上で出てしまう産業廃棄物。廃棄するために莫大な費用を払っていたものが、こうして有効に使われるというのは良いことですね。

チーズのブラインはマイナス29℃まで氷点が下がるそうで、これからどんどん重宝されそうです!

ちなみにモッツァレラプロヴォローネのチーズブラインが特に効果が高いようです。

融雪フードその3:じゃがいも

(image by amanaimages)

テネシー州では、じゃがいもの生ジュース(商業上『マジックソルト』と呼ばれているらしい…)が、冬のあいだ車道を走りやすく、キレイに保つことに一役買っています。

実際にハンガリーの研究機関が、大麦や小麦・じゃがいもなどを原材料とするウォッカを蒸留する際に出る副産物が、ビーツジュースやチーズブラインのように氷点を降下させる効果があることを証明しています。

テネシー州では、その日の気温や気候に合わせて塩分濃度等を調節し、この方法の改善・効果の向上を目指しているのだとか。

ちなみに、日本の埼玉県とほぼ同緯度に位置するテネシー州では気温が0度を下回ることはほぼありませんが、このじゃがいもジュースは0度より低い気温でもその効果を発揮することができるそうです。

また、このじゃがいもジュースは通常融雪剤として使われる工業塩水よりも塩害が少なく、やはりエコ。地球に優しい「農業塩水」というわけです。

備えあれば憂いなし

アメリカでは大寒波による被害が多くの地域で続出したため、新たな融雪剤として使えるものが多くテストされています。そのラインナップは上記に挙げた以外にも漬け物に使った塩水や、ピクルスの漬け汁など、実に多様。高騰し不足する融雪剤や凍結防止剤をただ待ち浪費するだけでなく、その代替案を積極的に探し・取り入れていく姿勢は見習っていきたいですね。

いつ何が来ても迅速に対応できるよう、新たな方法を常に模索・準備し、柔軟に取り入れていくべきなのかもしれません。

おわりに

野菜からチーズブラインまで、さまざまな融雪剤・凍結防止剤の代用品として使われているのが面白くもあり興味深くもありますね。より環境に優しく、広く使いやすいものが発見されるといいですね!
 
(参考:LiveScience

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本記事は、2016年05月12日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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