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粋な大人は蕎麦屋で呑む。文豪・池波正太郎も愛した「蕎麦屋酒」のたしなみ方

2013年12月17日作成

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池波正太郎と言えば、「鬼平犯科帳」「剣客商売」といった大人気歴史小説を書いた昭和の文豪。一方で、その合間に食べ歩きやグルメに関するエッセイをいくつも発表するほど、「食」には強いこだわりがあったそうです。そんな粋人がオススメするお酒の楽しみ方「蕎麦屋酒」というものを、今回はご紹介します。

目次

池波正太郎と蕎麦と酒

「蕎麦前なくして蕎麦屋なし」

池波正太郎は語りました。「蕎麦前なくして蕎麦屋なし」。「蕎麦前」とは、蕎麦屋で呑むお酒のことで、「前」とあるように蕎麦が茹で上がる前に肴をつついてお酒を1、2本呑むことです。江戸時代には、江戸っ子の粋な蕎麦屋の習わしとされていたとも言われています。

池波正太郎は、江戸っ子よろしくチビチビお酒を楽しみつつも、ほどほどで切り上げ、シメの蕎麦をゾゾッと楽しんでいたようです。この「蕎麦屋酒」を楽しむために、様々な蕎麦屋に足を運んだそうですが、酒と肴、そしてシメの蕎麦は「この店ではコレ」というように”いつもの“メニューを決めていたのだとか。

蕎麦を肴にお酒を呑むのではなく、蕎麦屋ならではの肴とお酒を楽しんだ後に蕎麦でシメるというのが「蕎麦屋酒」です。

蕎麦屋で頼みたいおすすめメニュー

「蕎麦屋に酒にあう肴なんてあるの?」なんて、現代の居酒屋チェーンに慣れた方は疑問に思うかもしれません。実は、あるのです。こちらは特に池波流というわけではありませんが、蕎麦屋酒好きの方がおすすめする最高の肴をまとめてみました。

勿論、お酒は江戸っ子も愛した「日本酒」がベストです。

其の一:出汁巻き玉子

「出汁巻き玉子なんてチェーン店にもあるじゃないか?」と疑問に思ってしまうかもしれませんね。しかし、蕎麦屋の出汁巻き玉子はそこいらの居酒屋のものとは一味違います。というのも、蕎麦屋の出汁巻き玉子には隠し味として“そば汁”が使われていることが多く、普通のものよりも卵の甘みが引き立っているのです。

其の二:板わさ

板わさは、おかめそばなどに使われる白くて厚いかまぼこを、わさび醤油につけてパクっとやるおつまみです。シンプルな味付けですが、プリプリとした歯ごたえと噛めば噛むほど広がる旨みは、酒の肴としては最高です。

其の三:ぬき

出汁巻き玉子、板わさと紹介してきましたが、蕎麦屋酒で一番のオススメは「ぬき」です。と言われても、蕎麦屋でお酒を呑んだことのない方にはピンと来ないかもしれませんね。

「ぬき」とは、天ぷらそばや鴨南蛮といった具の乗った蕎麦(種物)から蕎麦だけを抜いた、知る人ぞ知る蕎麦屋の裏メニューです。「天ぬき」や「鴨ぬき」といったように注文すると、熱々のそばつゆの中にサクサク衣の海老天や旨味が詰まった鴨肉が出てくるのです…!

蕎麦が伸びる心配をすること無く、酒の肴にそばつゆに浸かった天ぷらを楽しみ、残った具と汁に蕎麦を足してもらって〆る。という最高に粋な呑み方ができますよ。

池波流・蕎麦の食し方

池波正太郎が著したエッセイ『男の作法』には、蕎麦を食す際の心得のようなものが載っています。ここでは、その内容をかいつまんで、池波流・蕎麦の食し方をご紹介します。シメの蕎麦を食べる時には、ぜひ参考にしてみてください。

クチャクチャ噛まない

ズズッと喉越しを楽しむのが粋な蕎麦の食べ方なのですね。

そばつゆの濃さに合わせてつける量を決める

蕎麦屋によってつゆの味わいは異なります。そのため、蕎麦につけるつゆの量は、お店ごとに変えるのがベターなようです。

唐辛子はそばに乗せる

薬味は何でもかんでもつゆに入れがちですが、それは間違っていたのですね。

蕎麦は真ん中から食べる

真ん中から食べると綺麗に食べられるそうです。粋に楽しみたいなら、もたもたせずにちゃっちゃと食べてしまいたいですね。

池波正太郎が通った蕎麦の名店

「まつや」(神田須田町)

「まつや」は、池波正太郎が「子供の頃に食べた味を思い出す」とあししげく通った蕎麦屋です。本格的な店では余りお目にかかれない「カレー南蛮」をよく食べていたそうです。

「藪」(浅草・神田・上野)

「藪蕎麦」は、東京にある蕎麦屋の中でも特に有名で、砂場・更科と合わせて「江戸三大蕎麦」の一つにも数えられる老舗です。都内にいくつか店舗はあるのですが、浅草・神田・上野にある藪蕎麦を池波正太郎は愛したそうです。

「松翁」(猿楽町)

松翁 (神保町/そば)

松翁 (神保町/そば)★★★☆☆3.72 ■予算(夜):¥2,000~¥2,999

tabelog.com

「松翁」は小野寺松夫さんが31歳で興した、創業30年以上の蕎麦屋です。池波正太郎は、開店前に定宿の御茶ノ水「山の上ホテル」から店にボーイさんを連れてやってきては、徹夜明けの蕎麦料理を楽しんでいたそうです。

江戸の蕎麦屋は酒が美味い

上に挙げた池波正太郎が愛した蕎麦屋以外にも、東京にはたくさんの老舗蕎麦屋があります。そして、そういったお店の大半は亭主が厳選した美味しいお酒が置かれています。というのも、居酒屋と違ってつまみがシンプルで種類も少ない蕎麦屋は、お酒そのものの美味しさで勝負するしかなかったという伝統があるためです。

会社の近くやお家の近くに昔ながらの蕎麦屋さんがあるなら、そのお店を蕎麦屋酒の最初の一歩としてみてはいかがでしょうか?

ちなみに、蕎麦屋業界には「手打ちの店は出前をしない」という掟があるようなので、店先の配達バイクの有無でお店選びをしてみてもいいかもしれませんね。

おわりに

江戸時代には、「早くから酒が飲めるのは、それだけ仕事が早く出来る人」ということで、粋な行為とされていたそうですよ。ちゃちゃっと仕事を終わらせて、昼間っから粋な蕎麦屋酒を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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(image by amanaimages1 2 3)

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本記事は、2013年12月17日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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