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空元気が胸に刺さる…公募で生まれたキャラクター「かみねっちょ」にまつわる哀愁のマグネット物語

2016年11月18日更新

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はじめに

「ゆるキャラ」と言えばみんなの人気者。グッズなんかを出した日には、飛ぶように売れてしまうのが普通です。しかし、中には鳴かず飛ばずのキャラクターもいるもの…

今回は、そんな寂しいキャラクターの中でも、特に哀愁を感じさせる「かみねっちょ」のマグネット秘話をご紹介します。

「かみねっちょ」ってどんなキャラクター?

「かみね動物園」のマスコット

かみねっちょは、茨城県日立市にある「かみね動物園」のマスコットです。2007年、かみね動物園開園50周年を記念して、公募によって生まれました。

ピンク色をしたカバのようにも見えますが、カバの顔と体、ミミズクの翼、ネズミの尻尾を合体させた鵺(ぬえ)的な存在です。園内園外問わず様々なイベントに参加し、日々、かみね動物園のPR活動を行っています。

ちなみに、カバ・ミミズク・ネズミの頭文字を取ると「かみね」になるんですよ。

動物園を超えて日立市のPRも

実はかみねっちょ、今や動物園の枠を超えて、日立市のPR活動も行っているんです。地元のサッカーチームの試合会場に出張して日立の食材をアピールしたり、東京日本橋で行われた日立市のイベントにも参加したりしています。

と、これだけ見ると何一つ曇りのない、”普通”のゆるキャラに見えますよね?しかし、かみねっちょの哀しみは、そのグッズから発せられているのです…

哀しきマグネットの物語

哀しみの種は「かみねっちょマグネット」

なぜ東京進出まで行ったかみねっちょから哀愁が漂うのか。その答えは、かみね動物園内で売られている、一つのマグネットに隠されています。

そのマグネットがこちら。

こちらは、ある缶バッジ屋の職人さんによって作られたものです。至ってシンプルなこの手作り感あふれるマグネットにこそ、哀しみは潜んでいたのです。

そもそもの話は、2010年、日立市が動物園のオリジナルグッズの企画を一般から募集したことに遡ります。当時、一般公募のお知らせは日立市のHP上に掲載されていたのですが、おそらく問題のマグネットを制作した方もこの告知を見たのでしょう、告知から1ヶ月半後にはアイデアを練るためか、わざわざかみね動物園へ足を運んだ様子がブログに綴られています。

そして、そこで出会った運命の相手(名案)こそ、かみね動物園のマスコット「かみねっちょ」だと思われます。

いつだって考えるのはかみねっちょのことばかり

その証拠に、こんなタイトルから始まるブログを、動物園を訪問してから1ヶ月後に残しています。

それから公募期間の〆切である翌年の1月中旬まで、かみねっちょから強いインスピレーションを得たと思われる男性はグッズ作りに取り組みました。そして、試行錯誤の末に生まれたのが、今回のマグネットを始めとする数々のオリジナルグッズだったのです。

1ヶ月後の2月14日、バレンタインデーの日に選考結果が電話にて伝えられました。結果は採用。缶バッジ職人の「かみね愛」が詰まったマグネットと缶バッジは、2011年4月からかみね動物園内のグッズ売り場に並ぶことになったのです。

製作者の熱意と思い入れはひとしお

そんな熱いバッヂ職人の方が作ったマグネット。それ故、かみね動物園への気遣いとかみねっちょへの愛にあふれる豪華なラインナップになっています。

こちらはアメリカバージョンと中国バージョンのかみねっちょマグネット。現地調査した際に、かみね動物園には外国人観光客がたくさん訪れていたことを知り、グローバルな展開を見越して作られたそうです。

こちらは夏限定バージョンです。「2012年の夏モデル」だから、「2012 NATSU」。シンプルで力強いメッセージが刺さりますね。製作者の方曰く、「見掛けたら、即、ゲットすべし!」とのことです。

こちらはクリスマスバージョンのかみねっちょマグネットです。緑地の他に、赤地のタイプも売りだされました。

力強いメッセージ入りです。なんと動物園を超えて、日立はおろか、日本まで背負ってしまいました。

売れ行きは、如何に…?

そんな力のこもった「かみねっちょマグネット」。やはり気になるのは売れ行きですが…

2011年06月08日(水) 23時43分50秒

かみね動物園マグネットの5月末までの売上げ報告がありました。
5月末までの累計115個でした。
お買い上げ頂いた皆様、そして販売して頂いたかみね動物園の方々、有難うございました。

今回は種類ごとに在庫がいくつ残っているかの情報も頂きました。
それは店長もびっくり!驚愕の事実が判明しました。
ライオン3兄弟が残り1個、虎残り1個、チンパンジーのゴウちゃん残り35個キリン9個しまうま7個。
これを販売数に直すと、ライオン59個、虎9個、チンパンジー25個、キリン1個、しまうま3個、合計97個。
という事は累計販売数115個ですから、残りはかみねっちょ。18個売れました。
いいえ、300個作って18個しか売れませんでした。
ショックです。
かみねっちょがメインだったのに・・・。かみねっちょ282匹・・・。
どなたかかみねっちょを引き取ってください・・・。

というわけで、当分の間は動物マグネットを作る事になりました。

(引用:かみね動物園マグネット第3弾|こふぐの缶バッヂ屋

売れませんでした…熱い思いが込められたかみねっちょマグネット、売れませんでした…

しかし、悲報はこれだけには留まりません。

2011年12月04日(日) 22時11分55秒

かみね動物園からメールが来ました。

『11月27日に埼玉県羽生市で行われた「ゆるきゃらサミットin羽生」に「かみねっちょ」が参加しました。
グッズ販売も行なったのですが、あまり売れなかったようです。』

(引用:かみねっちょの活躍を心から祈っています。|こふぐの缶バッヂ屋

この状況は翌年(2012年)の夏まで変わらなかったようで、2012年7月下旬に更新されたブログでも、「大量在庫状態」とのことでした。

大量に売れ残っている状況を思うと、こんな明るいメッセージからもほんのりと哀愁が漂ってきますね…

かみねっちょマグネットは2012年7月時点ではあまり売れていないようで、製作者の方は新作を作りたくても需要が無いためなかなか作れない状況だそうです。

しかし、裏には「深イイ話」が隠されていた…

確かに、クオリティはちょっと低いかもしれません。空元気なメッセージからは哀愁も漂っているかもしれません。

しかし、そのかみねっちょマグネット製作の背景には、製作者の秘めたメッセージがあったのです。

かみねっちょマグネットは本来「2011年3月中旬」販売予定だった

かみねっちょマグネットが店頭に並んだのは先ほどご説明したように2011年4月なのですが、本来は3月中旬から並ぶ予定だったのです。しかし、あることがキッカケでこのスケジュールは大幅な変更を余儀なくされました。

そう、3.11東日本大震災です。

震災地に近かったかみね動物園のある日立市でも震度6弱の地震が起こり、動物にこそ被害はありませんでしたが、しばしの休業を余儀なくされました。しかし、被災者を励ますために、1週間もたたない3月16日に動物園は再開されたのです。

そして震災から約1ヶ月後の4月10日、ある程度客足の戻った動物園で配られたのが、「ぼくたちはげんきだよ」メッセージ入りの缶バッジだったのです。

「ぼくたちはげんきだよ」に秘められた2つの意味

そして、この「ぼくたちはげんきだよ」というメッセージには2つの意味が込められていました。

2011年04月03日(日) 18時18分18秒

動物園に、『このまえのじしん、どうぶつたちは、だいじょうぶだったの?』 と心配して動物達に会いに来てくれた子どもたちに、
動物達の『ぼくたちはげんきだよ』 という動物代表かみねっちょのメッセージ入り缶バッヂをプレゼントします。
それを早速自分の服に付けた子どもたち、するとなんということでしょう。
今度は子供達の『ぼくたちはげんきだよ』 というメッセージに変わったのでした。
ぽぽぽぽーん!

動物達、そして子供達の元気をもらいに、かみね動物園に行きましょう!

(引用:魔法の缶バッヂ|こふぐの缶バッヂ屋

なんと、動物代表のかみねっちょから、動物たちの安否を心配する子どもたちへのメッセージだけでなく、それをつけた子どもたちの気持ちまで考えられていたのです。

おわりに

笑顔の裏にこんなにも素敵なメッセージが隠されていたなんて…これほど素敵なマグネットが売れ残ってしまって本当にいいのでしょうか?これはもう、みんなでかみね動物園へ殺到して、新作マグネットへの需要を高めるしかありませんね!

本記事は、2016年11月18日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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