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相続でもめないために!知っておきたい不動産相続の基本

2016年05月12日更新

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はじめに

(image by amanaimages)

不動産相続のことなんて、普段は考える機会がないかもしれません。けれども、両親が住んでいる自宅が、将来的に誰のものになるのか考えたことはありますか?

そのときになって慌てることのないように不動産相続について最低限のことはぜひ知っておきましょう。すでに不動産相続の問題に直面している方にとっても、正しい知識をもつことが解決へ向けての第一歩となるかもしれませんよ。

この記事は不動産相続の基礎知識を分かりやすく伝えるのが目的です。ケースによっては、このコラムの内容とは異なることもあるので相続手続きの際は、専門家に相談することをおすすめします。

不動産相続の種類

不動産を相続するにあたり、相続人が複数いる場合、どのようにして相続が決まるのでしょうか?

不動産相続は、次の3つのうちのいずれかによるのが通常です。

  • 遺言による相続
  • 遺産分割協議による相続
  • 法定相続
この他に、家庭裁判所での調停や審判による遺産分割もあります

遺言による相続

被相続人(亡くなられた人)が生前に遺言書を書いていた場合です。法的に有効な遺言書によって誰が不動産を相続するかを遺言していれば、それにしたがって不動産相続するのが原則です。

遺言による場合では、不動産相続をする人が一人で名義変更の手続きをすることができますから、相続を巡って争いが生じるのを防ぐことができます。

遺産分割協議による相続

遺言書が無い場合には、法定相続人全員の話し合いにより誰が不動産相続をするか決めます。それが遺産分割協議による相続です。

遺産分割協議が成立するには、法定相続人全員の合意が必要です。そこで、相続人の全員が日頃から良好な関係を維持していることが不動産相続をめぐって争いが生じないための条件だといえます。

法定相続

3つ目の法定相続は、各相続人の法定相続分に応じて共有名義で不動産相続をします。法定相続によるならば、法定相続人全員の合意が得られなくても名義変更の手続きをすることができます。

そこで相続人間の話し合いがまとまらない場合に、法定相続による不動産相続をする例も見受けられます。けれども、共有のままでは不動産を売却することはできませんし問題を先送りにしているに過ぎないともいえます。

特に共有者が亡くなり新たに相続が発生することで、さらに権利関係が複雑になっていくこともあります。

誰が相続できるの?

当然のことですが、不動産を相続できるのは法定相続人に限られます。

例えば、相続人ではない孫は不動産相続をすることはできません。不動産相続について考えるにあたり、誰が法定相続人となるのかを最初に知っておきましょう。

法定相続人とは、被相続人(亡くなった人)の権利や義務を引き継ぐ人のことです。民法により定められているので、法定相続人と言っていますが、単に相続人とした場合でも同じ意味だと考えて差し支えありません。

誰が法定相続人なのかを知るポイントは以下の3つです。

1. 配偶者は必ず相続人になる

被相続人に配偶者(夫、妻)がいるとき、その配偶者は必ず相続人になります。ただし、相続が開始する前に離婚している場合には、相続人とはなりません。

2. 子、直系尊属、兄弟姉妹は次の順位で相続人になる

被相続人の子、直系尊属(父母、祖父母)、兄弟姉妹などは、次の順位で配偶者とともに相続人になります。

  • 第1順位:被相続人の子
  • 第2順位:被相続人の直系尊属(父母、祖父母、曽祖父母 ・・・)
  • 第3順位:被相続人の兄弟姉妹

違う順位の人が同時に相続人になることはありません。たとえば、被相続人に子がいれば、被相続人の父母は相続人とはなりません。

また直系尊属については、父母と祖父母が同時に相続人なることはありません。相続人になるのは、親等が近い人(この場合では父母)のみです。

3. 代襲相続にも注意

誰が相続人になるのかを判断する際には、代襲相続についても知っておく必要があります。

代襲相続が起きるのは、相続人になるはずであった被相続人の子が被相続人よりも先に死亡しているときなどです。この場合で、その死亡している子に子がいるときには代襲者として相続人となります。つまり、子の代わりに孫が相続人になるわけです。

また、相続人となるはずであった兄弟姉妹が被相続人よりも先に死亡しているときにも代襲相続が生じます。

子については孫、ひ孫と代襲(再代襲)しますが、兄弟姉妹については再代襲しません。被相続人のおい、めいが相続人となることはあっても、さらにその子が代襲相続することはないのです。

各相続人でどう分配するの?

誰が相続人であるかが分かったら、次に、各相続人が遺産に対してどれだけの権利を持つのかを確認します。相続人が2名以上いる場合、各相続人の相続分は民法により定められています。

配偶者と子(または直系尊属、兄弟姉妹)が相続人になるときの法定相続分は次のとおりです。

  • 配偶者、子が相続人の場合:配偶者、子がそれぞれ2分の1ずつ
  • 配偶者、直系尊属が相続人の場合:配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1
  • 配偶者、兄弟姉妹が相続人の場合:配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1

相続人となる子、直系尊属、兄弟姉妹が複数いる場合には、その相続分は同じです。長男だから相続分が多いとか、結婚して嫁に行ったから相続分がないとか、そんなことはありません。子の相続分は皆同じです。

ただし、現在の民法では、相続人中に非嫡出子(婚外子)がいる場合、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の半分となります。
また、被相続人の兄弟姉妹が相続人である場合、被相続人と父母のいずれかが異なる兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の半分とされています。

各相続人の法定相続分は上記の通りですが、相続人の全員が合意するならばどのように遺産を分割しても構いません。被相続人の妻が、不動産やその他すべての遺産を相続してもまったく問題ないわけです。

遺言書の有無は影響するの?

遺言によって誰が相続するかを指定していれば、それに従って不動産相続するのが原則です。つまり、遺言書を書いておくのが、被相続人(遺言者)の思いに沿った相続を実現するためにベストな方法です。

遺言書の通り相続されるなら、相続人の考えは関係ないため、争いが生じることもないわけです。

条件は正式な書式に則っていること

ただし、注意しなければならないのは、遺言書は民法で定められたとおりに書かなければならないこと。遺書のようなものでは法的に有効な遺言書とはいえません。少なくとも書籍や専門家のウェブサイトなどで知識を得てから書くべきです。

さらに安心なのは、専門家に相談したうえで書くか、公証役場で公正証書遺言を作成することです。

法定相続人に許された権利「遺留分」

相続人には遺留分があります(兄弟姉妹が相続人の場合を除く)。ですから、一部の相続人だけにすべての遺産を相続させるような遺言書であった場合でも、遺留分を侵害された相続人は、自らの遺留分に相当する遺産を引き渡すよう請求できます。

遺産はどう分けるの? 自宅の場合

法定相続人で遺産分割する方法には、遺産そのものを分割する「現物分割」のほか、「代償分割」「換価分割」「共有分割」があります。

現物分割

現物分割とは、現物つまり不動産そのものを分割することを言います。不動産をいくつかに分ける訳にもいきませんから、現物分割では相続人の一人が不動産相続をするのが通常です。

遺産分割の方法では現物分割がもっとも一般的ですが、おもな財産が自宅だけの場合には、ほかの相続人が納得しないこともあります。

相続争いが起きるのは、財産が多い場合とは限らないのです。

代償分割

代償分割では、相続人の一部がその法定相続分を超える財産を取得する代わりに、他の相続人に対して金銭などの支払いをします。

不動産相続でいえば、相続人の一人が自宅を相続し、その代わりに自分自身の財産によって他の相続人に代償金を支払うわけです。

現実にはお金を用意するのが難しい場合も多いため、代償分割を選択するのが困難な場合も多いようです。

また、親と同居していた自宅の場合には、今までどおり住み続けるだけなのに、他の相続人へお金を払うことに納得がいかないこともあるでしょう。

換価分割

換価分割では、相続財産を売却処分してその代金を分配します。通常は代償分割ができない場合に換価分割を検討します。

換価分割であれば遺産を分けるのは容易ですが、自宅不動産を手放すことになるわけですから、今後も住み続けたいと考える人がいる場合には選択しづらい方法です。

共有分割

遺産を共有のまま取得するのが共有分割です。現実に遺産を分割するわけではなく、相続人の共有にして不動産を相続するのです。

これにより、遺産分割協議は一応の決着をみることになりますが、共有不動産を自分の持分だけ処分するようなことは通常できませんから、結局いつかは不動産の共有関係を解消する必要があるでしょう。

共有分割は、結局は問題の先送りに過ぎないとも考えられます。他の方法が選択できない場合の最後の手段です。

不動産相続の手続きは?

不動産相続の手続きは、その不動産所在地を管轄する法務局で行ないます。不動産登記申請書を作成し、必要な添付書類および登録免許税を納付するための収入印紙とともに、法務局の窓口へ提出します。しかし、不動産登記の知識がない方が自分でおこなうのは難しいです。

添付書類には、被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本や、その他の戸籍謄本、住民票(除住民票)など数多くの書類収集が必要となります。さらには、遺産分割協議書を作成して全相続人が署名押印したうえで印鑑証明書を付けます。

不動産はとても高額な財産ですから、名義変更をする際にも厳格な手続が求められます。相続により名義を変更する場合でも、誰が相続人であるかを戸籍謄本などで証明し、相続人全員が同意していることを遺産分割協議書や印鑑証明書などで明らかにする必要があるのです。

不動産相続登記はこのように複雑な手続きなので、登記の専門家である司法書士に依頼するのが通常です。この場合、戸籍謄本などの収集や、遺産分割協議書の作成もすべて司法書士にまかせるのが確実です。

やれることは自分でしたいと考えるのであれば、戸籍謄本などの取得をできる範囲でおこなってから、司法書士に相談するのもよいでしょう。

さいごに

相続時にトラブルが起きる可能性が高いかどうかは、誰が相続人であるか分かれば事前に予想がつくと思います。たとえば、被相続人の妻および子が相続人であって、親子関係が良好な状態にあるならば、あまり心配はいらないかもしれません。

ただし、いざ相続が開始してみると、子の配偶者(夫、妻)やその他の親族が口出ししてくることなどによって、もめる例も珍しくありません。

主な財産が自宅不動産だけで現預金があまりないような場合には、遺産を分けることが難しいために問題が生じやすいともいえます。

自らの相続を巡ってトラブルが生じる可能性が少しでもあると考えるのであれば、生前に遺言書を作成しておきましょう。もめない相続のために対策をおこなうのは、大切なご家族に対する義務なのです。

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本記事は、2016年05月12日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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